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会長挨拶

 作業療法は、「人は作業を行うことで健康になれる」という人類古来の知恵を、近代になって科学的根拠に基づいて深化させ体系化した療法です。わが国では半世紀以上前に作業療法士が国家資格となり、以来、医療・介護・保健・福祉等の各分野で社会保障の一端を担ってまいりました。現在、全国に約9万人の作業療法士がおりますが、1億2千万人の中の9万人です。これをお読みの皆様で、実際に「作業療法」や「作業療法士」に出会われた方はまだ少ないかもしれません。本ホームページでは、さまざまな領域、さまざまな場面で仕事をしている作業療法士を紹介させていただいておりますので、ご高覧いただければ幸いです。ここでは、作業療法の活用について、ひとこと述べさせていただきます。
 たとえば皆様が病気や怪我などの影響で、それまでは何の苦もなくできていたことに困難が生じたとします。そんなとき、皆様はどんな思いをもたれるでしょうか。今までは簡単にできていたことが上手くできない自分のこれからの毎日はどうなってしまうのだろう。仕事は続けられるのだろうか、学校には行けるのだろうか、家事や旅行ができなくなってしまうのではないかなど、さまざまな生活上の不安が頭をよぎるのではないかと思います。
 このような生活上の不安に対し、障害があってもその人の望む生活をどうすれば実現できるかを、医学的な知見に基づいて支援できるのが作業療法士です。実現したい生活を妨げている要因を明らかにし、実現したい目標に向かって、改善のための具体的な方法や段階を示し、利用者の方と共有して、共に歩んでまいります。その支援内容は、利用者の心身の改善、目的とする生活上の活動(作業)の手順や方法の工夫、環境の工夫なども含みますが、作業療法に何よりも特徴的なのは、行っている訓練が、目的とする生活に直結しているという点です。効果もすぐに分かります。できたらOK、できなかったら何故できないのかを利用者の方と振り返り、解決の方法を一緒に考えてまいります。成功を失敗もその人にとって貴重な体験です。このような過程を通して、利用者自らが自分の現状を理解し、解決の方法を学習していくことになります。
 これまで多くの利用者の方と接してきたなかで、「どのような生活をお望みですか?」と問うと、最初は「死にたい」とか、「できることは何もない」とか言われることがよくあります。それでも、できることを共に探し、それを経験していくことを通して、できる作業が徐々に増え、前向きに人生を送られるようになった方を多く見てまいりました。「諦めないこと」が大事です。障害をもちながら生活上で困っていることがありましたら、ぜひ作業療法士にご相談ください。きっと何らかの方法を提示してくれるはずです。
 国民の皆様が作業療法士を有効に活用していただくことを切に願っております。

一般社団法人 日本作業療法士協会
会  長   中 村 春 基

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