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作業療法士Q&A障害者の就労支援にあたって作業療法士ができることとは?

障害者の就労支援にあたって作業療法士ができることとは?

Q.

 私は福祉施設にて障害者の就労支援を行っている支援員です。最近、利用希望者の中に、発達障害の方が増えてきています。作業療法士の方は、どのような視点で支援を行っているのでしょうか。

A.

 発達障害の診断を受けるのは、成人を迎えてからという方もいます。しかしながら、大人になってから急に発症したということではなくて、幼少期より何らかの生きにくさや失敗体験を積んできている方が多いということも理解する必要があります。つまり背景にある自信の喪失や不安感を察することです。対象者の中には、こういったストレスにより、うつ病などの精神疾患を合併している方もいます。

 こういった精神的側面の理解をすることに加え、身体的側面から介入する支援も行っています。例えば、物品の握り方、作業を行う立ち位置、姿勢などを調整することにより、効率的な作業遂行(したい作業、すべき作業、することを期待されている作業を実際に行うこと)を促すことがあります。しかしながら、作業遂行がうまくいかない場合、その全てを、対象者の身体的側面の調整により解決を目指すのではなく、人、物、場所など、環境要因を調整することで解決を図ることもあります。例えば、対象者にとって理解がしやすい指示を出す人、姿勢を保ちやすい操作台、外的刺激を制限できる場所などです。

Q.

 就労支援を行っていく中で、訓練により作業能力を高めていくことを目的として考えていますが、それ以外にもどのような支援の工夫があるのでしょうか。

A.

 確かに訓練により、ある一定の能力向上も期待できます。しかしながら、これまでの生きにくさの原因は、どのようなところにあるのか、対象者自身が支援を通じて自分を見つめ直す機会を提供することが大切です。労働場面を利用した支援の中では、障害の特性によりうまくいかないこともあります。その経験も大切であり、そこから自身の特性を振返るきっかけが生まれます。支援者と対象者の両者が、就労に関する障害特性を把握することが重要です。このときには、幼少期より経験してきた失敗体験に、更に積み重ねるような失敗をさせるということではなく、保障された範疇(はんちゅう)での経験となるよう場面設定を工夫する必要があります。

 発達障害の特性は、就労場面では課題となるものばかりではありません。その特性は、ときには強みになることもあり、他の労働者より生産性の高いものとなる可能性があります。また、障害の特性のみならず、その対象者が生きてきた背景の中で得た、性格や趣向など、個人要因としての強みも捉え、活用する視点も大切です。

 就労支援においては、就職がゴールではなく、就労を含めた生活の実現が目指すべきところだと思います。生活全般の中で生じる対象者の困りごとを解決できるか、就職後も継続的な支援が必要です。この継続的な支援は、同一の支援者によるものに限らず、対象者の生活する地域の資源を活用し、対象者が地域の中に溶け込むよう支援を展開していくことが重要です。

■回答
国際医療福祉大学 保健医療学部 作業療法学科/NPO法人那須フロンティア 野﨑智仁

 

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