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作業療法士Q&A地域ケア会議における作業療法士の役割とは?

q地域ケア会議における作業療法士の役割とは?

大分県杵築市での地域ケア会議の様子

Q.

 地域包括支援センターの職員です。地域ケア会議を運営する立場ですが、作業療法士の方に参画いただくことを検討しております。地域ケア会議における作業療法士の役割について、教えてください。

A.

 現在、全国の市町村が地域ケア会議を開催しています。その背景には平成27年度の介護保険法改定の中で市町村に「地域ケア会議」を置くよう法律に明記されたことが大きな要因です。さらにこれからの日本の少子高齢化に伴う人口構造や疾病構造の変化、そして公的社会保険の増大を考えると「地域ケア会議」で個別ケースの検討と地域課題の検討の両方を行うことで早期に様々な個別・地域の課題の可視化をして行政、事業所、専門職、住民が一体となってその地域の医療・介護の課題に取り組むことは大変重要な取り組みとなっています。その地域ケア会議の中で作業療法士の役割としては、「生活課題を明確にする。その課題を解決する手段の提供」です。介護保険の基本理念は自立支援であり言い換えれば生活課題の解決を意味します。対象者の生活の自立を妨げている要因を抽出して日常生活の動作の中で「できること」と「できないこと」の能力評価をして、自立を妨げている要因を解決できる自立支援の内容を助言することにあります。またその地域の課題もアセスメントして解決策を参加者と協議して政策提言していくことも役割となります。事例を通して作業療法士の役割を説明します。

【事例】
 外出の機会が少ない、高齢で動くのがおっくうなど生活の不活発により運動の頻度が低下し、その結果足の筋力が著しく低下した(要支援2)方の課題は、洗濯ができないことでした。当初ケア会議に挙がったプランの目標は「訪問介護のサービスを利用して、一緒に、安全に洗濯を実施する」でした。しかし洗濯動作の工程分析をしないで全ての工程で訪問介護がサービス介入すると、できたはずの洗濯動作もできなくなる。そこでケア会議では「洗濯ができない原因は何か」を作業療法士が助言します。洗濯動作の工程の中でどの動作が困難なのか、洗濯機の操作ができないのか、洗濯物を持って干場まで移動することができないのか、干す動作ができないのか、取り込み動作ができないのか、を分析し課題を明らかにします。たとえば「足の筋力低下と肩の関節が動きづらく洗濯物を干す場所に捕まるところがなく洗濯物を干す動作ができない」といった洗濯動作の自立を阻む要因が明らかになったら、その課題に対する支援方法の助言を行います。足の筋力の強化を行うには、どんな運動を、どこで、誰が、いつまで、どんな所に注意して行うか、を助言します。何もつかまる所がなければ、手すりをどの場所に設置するか、その理由を含めて住宅改修業者にも助言します。また肩関節の動きが悪くて干す動作が困難であれば、物干しの高さを変える等、洗濯動作の自立に向けての支援内容の助言も行います。また体の機能の他に認知機能に問題がある場合は認知機能に関しても支援内容の助言を行います。以上が個別のケースに関しての一例ですが、その他に住民主体のサービスの支援方法やケアマネジャーや介護職向けの研修会の企画の立案など地域課題への助言も行います。

 作業療法士は「活動」「参加」の専門家として地域ケア会議に積極的な参画を目指しています。また日本作業療法士協会もその人材育成に力を注いでいます。今後も地域住民の皆さまの自立支援や健康増進に寄与できる専門職として努力してまいります。地域ケア会議での作業療法士の積極的な活用を進めていただければと思います。

■回答
株式会社ライフリー 佐藤孝臣


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