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作業療法士Q&A自閉症スペクトラムの子どもの進路で迷ってます。

自閉症スペクトラムの子どもの進路で迷ってます。

Q.

 自閉症スペクトラムと診断を受けた息子の進路について質問です。今、通常学級に通っていますが、通常学級に通い続けるか、特別支援学級に行った方がよいのか迷っています。どう考えたらいいでしょうか? 作業療法士の視点から、何かアドバイスがあればと思います。

A.

 発達期の子どもたちに携わっていると、このように就学や進路に関する相談を受けることが少なからずあります。就学・進路に関わる内容は、子どもさんとご家族にとって、大きな人生の転機になりますので、親御さんとお子さんと一緒に慎重に丁寧に考えていきたいと思います。

 まず、お子さんはどのような特徴と能力があるかを挙げてみましょう。お子さんの得意なこと、苦手なこと、好きなこと、嫌いなことなどをご家族で言葉にして書き出してみましょう。知っているつもりでも言葉にしてみるのは難しいものですし、ご家族でお子さんの捉え方が異なることがあります。

 現在、お子さんが今の通常学級に通っていて、困っていること、難しいこと、つまずいていることは何でしょうか、そのことを本人がどう思っているか、うまくいっていること、楽しみにしていることは何でしょうか。帰宅してからの様子や、友だち関係はどうなっているか。特別支援学級に通った時にこれらのことはどのように変化していくでしょうか。

 次にお子さんが、通常学級に通った場合、特別支援学級に通った場合の様子を推測します。その時に、必ず良い点と悪い点を必ず挙げましょう。本人のストレスの度合いや、自己有能感や自信などはぜひ把握しておきたい項目になります。まずは、そこから整理をしていきましょう。

 選ぶときには、学習環境や、教育内容を知っておくことが必要になります。他の保護者からいろいろな情報が入ってくると思いますが、必ず見学をして、自分の目で見て、雰囲気を肌で感じ取ってみることをお勧めします。人によってその感じ方は異なりますので、口コミだけで判断しないようにしましょう。どうしても感じの良い先生がいるとその先生を頼りたくなりますが、残念ながら先生方には必ず転勤があります。特定の先生の存在だけで学校を判断することは避けた方がよいと考えます。

 通常学級と特別支援学級の両方をそして、できれば複数の学校を見比べることをお勧めします。複数の学校を見て、比較することで、特徴を感じることができるからです。

 それらの情報を基に、本人にとってどちらの環境が良いかを考えていきます。 考えていくときには、まず学校に入って子どもさんに何を学んでもらいたいかを考えてください。その学びを実現できる場はどこか、という観点で考えてください。その時、その学びは学校で行うべきことがどうかも吟味をしてください。学校は多くのことを学べる場ではありますが、すべてを学べる場ではありません。学校以外で体験できること、学べることもたくさんあります。学童保育の利用やお住まいの地域で開催しているスポーツチームへの参加や遊びの場を利用するのであれば、それも大切な体験の場になります。

 こういった相談を受けていると「うちの子は勉強できないから、ついていけなくても気にしません」という意見を聞くことがあります。私の経験では、すべての子どもたちは学ことが好きです。勉強をしなくてよいと思っている子はいません。苦手だな、と思っていたり、過剰な課題を背負わされて逃げたくなっている子どもたちはいます。でも、最初から学ぶことが嫌いな子はいません。学ぶことを好きでいられるような環境を整えられるとよいと思います。

 もうひとつ、親御さんから「できるところまで頑張って、ダメになったら次を考えます」と言われることもありますが、「ダメになったら」では、遅いということも気にかけていただきたいと思います。「ダメになる」まで、子どもはどれだけ傷を負うのか、そしてその傷はなかなか癒えないことが多いのです。

 通常学級にも特別支援学級にもそれぞれ長所と短所があります。だからこそ広い視点をもって、いろいろな側面からお子さんの現在の状況と、これからのことを考えていただければと思います。

 文部科学省では、障害のあるお子さんの就学に関する手続きについて、お子さんが十分な教育を受けることができるような検討をするための仕組みを用意しています。このなかで保護者からの意見の聞き取りを義務付けていることもふれています。説明は複雑ですが、一読いただけると良いかと思います。

【参考】特別支援教育について「3.就学に関する手続について」(文部科学省ウェブサイト)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/003.htm

■回答
酒井康年(うめだ・あけぼの学園)


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