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作業療法士Q&A高次脳機能障害の復職、会社として配慮すべきことは?

高次脳機能障害の復職、会社として配慮すべきことは?

Q.

 脳卒中の治療で休職していた社員が、リハビリテーションを終え復職したいという意向を伝えてきました。会社としても支援すべく受け入れる方向性ですが、高次脳機能障害の後遺症があるとのことで、どのような形で復職を進めればよいのかわからずにおります。仕事内容、勤務体系など復職の際に検討しなければならないポイントや、本人の希望も取り入れながらスムーズに復職する進め方、また復職後の定着支援についても教えてください。

A.

高次脳機能障害と対応方法について
 高次脳機能障害は、外見からはわかりにくいのが特徴です。手足が動き、会話も成立していると、「どこに障害があるのだろう?」と不思議に感じるかもしれません。ただ、実際に仕事をしてみると、うっかりミスが生じたり、手際がわるかったり、ぼんやりしていたりと、周囲の人から見ると「怠けている」「根性がない」と誤解されやすい症状が出現します。

 高次脳機能障害といってもさまざまな症状があります。仕事に影響しやすい症状と対応例を、以下に挙げます。

<注意障害>
●集中力が続かない→30~40分で完結する仕事から始め、その都度休憩を挟むことで脳の疲労を回復させます。
●電話を受けながらメモを取れない→2つのことを同時に処理することは高度な技術であり、トレーニングしても改善は難しい場合もあります。メールなどの代替手段や電話を受けなくても成り立つ仕事への配置転換を検討します。

<記憶障害>
●作業指示の内容や手順を忘れてしまう→手順書(マニュアル)を作成し導入したり、1つの仕事が終わってから次の仕事の指示をするなどの配慮が必要です。

<遂行機能障害>
●やるべきことの優先順位をつけられない→どの順番でやっていくのかを明確に指示してください。

 復職する段階で、本人が自分の障害に気づき、対応手段を身につけていることが望ましいのですが、必ずしもそうとは限りません。会社の仕事に合わせた対応方法を新たに検討したり、本人に合わせた仕事の切り出しをする必要があるかもしれません。そのような場合にはジョブコーチの利用も検討していくと良いでしょう。

医療機関との連携
 この方の場合には、リハビリテーションを受けていたとのことですので、まずは本人からの同意を得て、医療機関と情報交換することをお勧めします。医療機関は本人の症状と対応方法についてのノウハウを持っていますので、復職するにあたって、どんな配慮が必要かを説明することが可能です。このとき、実際に受け入れる会社として、対応できる範囲はどこまでなのか、本人に期待している仕事はなにか、配置転換を含めた対応は可能なのかなど整理しておくと、話し合いがスムーズです。

復職にあたっての留意点
 脳卒中発症後、入院や在宅生活を経過するなかで、体力の低下(易疲労)が生じるケースが多く存在します。通勤だけで疲れてしまい、会社に着いても仕事ができない、ということも予想されます。可能であればリハビリ出勤を導入し、1日に何時間、週何時間なら勤務ができそうなのか、実際に経験し、本人と会社側で調整することは重要です。本人は仕事に慣れようと一生懸命になり、過剰適応になる傾向が見受けられます。こうした状態が長く続くと、疲労が蓄積し、朝起きられない、午後まで体力が持たないなどの影響が出現してきます。定期的に本人と面談し、仕事と休息のバランスが取れているのか、確認しあう時間を作ることも大切です。

 時間の経過とともに、できる仕事が増えていきます。すると、「障害である」ということを周囲が忘れてしまい、本人を病前と同じように捉えてしまうということが起こり得ます。仕事量を増やしたり、複雑な作業を割り振るなど、障害への配慮がなくなってしまうことで、仕事を継続すること自体が難しくなる例も見られています。本人と会社双方が、障害を理解し続けていくことが、仕事の継続へとつながります。

 高次脳機能障害の対応でお困りの際には、各都道府県に設置されている「高次脳機能障害支援センター」や「障害者職業センター」へ相談することも検討してください。

※高次脳機能障害に関する相談窓口は、高次機能障害情報・支援センターのホームページに記載されています。
  お住まいの地域の相談窓口は、下記リンクのホームページよりご確認ください。
  http://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/soudan/

■回答
野々垣睦美(クラブハウスすてっぷなな統括所長)


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