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TEAM OTチームで「生活の視点」から、ケアとリハビリテーションを考える

医療法人社団 東北福祉会 介護老人保健施設せんだんの丘

 宮城県仙台市で、高い在宅復帰率を誇る医療法人社団 東北福祉会『せんだんの丘』。一人の利用者に対して様々な職種がそれぞれの職能を生かし関わり合うことで、利用者の社会復帰、自立を実現している。ともに働くチームに、話を聞いた。

チームで「生活の視点」から、ケアとリハビリテーションを考える

作業療法士 入所施設ではリハビリテーション課長を、訪問介護では管理者を兼務しています。入所においては「多職種協働」が私たちの大きな特色です。私も看護、介護、相談員、医師、栄養士、歯科衛生士、言語聴覚士と、いろんな職種と関わりながら、一人の入所者を支援しています。
 訪問介護においては、なるべく介護福祉士の皆さんにリハビリテーション職を身近に感じてもらえるような声がけ、コミュニケーションを心がけています。というのも、訪問介護では、介護の場面を共有することは少ないからです。担当者会議などで報告書面を前にして話し合うことは多いですが、それ以外の場面でも、ケアの現場で働いている人との距離を縮めることができるように働きかけています。

作業療法士:小野咲子さん

作業療法士:小野咲子さん

ケアマネジャー 入所施設のケアマネジャーをやっています。入所した方が今後目標とする生活に近づいていくために、どんなアプローチが必要なのかを整理し、医療、看護、リハビリテーションなどそれぞれの役割にお願いすること、またそれがどこまで目標に近づいているのかを確認していくのが、私の役割です。

ケアマネジャー:菅原留里子さん

ケアマネジャー:管原留里子さん

作業療法士 ケアマネジャーさんは、窓口として家族や利用者と話をする機会も多いので、生活の背景や経済的状況など、情報をたくさん持っています。その情報をもとに、ケアやリハビリテーションの方向性を考えていくことができる。とても大切な役割ですね。

ケアマネジャー 作業療法士さんからは、リハビリテーションの現場からの貴重な情報をいただいています。例えば、ある利用者さんが自宅に帰るとき、家の階段を上らなければいけない。施設と自宅では全く環境が違います。階段の高さも違ってくる。手すりの位置も違う。そこで作業療法士さんに話を聞く。時には実際に階段を上っている場面を見せていただいたりもします。生活の中の動きができるようにという視点から一緒に確認し、どうしていけばいいのかを考えていきます。

ソーシャルワーカー 私たちソーシャルワーカーの仕事は、ケアマネジャーと少し役割が異なっていて、例えばお金の話や住まいの話など、社会とのつながりを様々な社会資源やサービスを組み合わせてどう作っていくのかを考えます。生活していくということは、単純なことじゃなくて、複合的な課題が複雑に絡みあっているものです。だから多職種協働による様々な専門職の知恵が必要になるのだと思います。最終的な目標としての利用者の自立支援というものを考えたときに、作業療法士が持っている、利用者の生活に対する意見は、非常に重要だと思います。個別の機能訓練にとどまらずに、「暮らし続ける」ということを考えながら、介護担当者・看護担当者と、どうやって協働していくのかについて意見をくれるので、チームの中で重要な役割を持っていると思います。

ソーシャルワーカー:加藤誠さん

ソーシャルワーカー:加藤誠さん

看護師 私たち看護師は、利用者さんの医療的な身体状況と、リハビリテーションとを同時に考えていかなければいけない立場です。体調を見ながら、どれだけ負荷をかけてもいいのかを考えたり、あるいは皮膚の状況に合わせて福祉用具を考える。作業療法士さんとは常に情報交換をしながら、密に進めています。看護という職種は、どうしても利用者さんの体に負荷をかけない方向で考えてしまいがちなんですけれど、作業療法士さんは制限のある中で、どうしたらできることを広げていけるのか、伸ばしていけるのかという方向で考えてくれます。

看護師:齋藤陽子さん

看護師:齋藤陽子さん

作業療法士 医療的に負荷がかかりすぎない範囲で、どう体を動かしてもらって体力や持久力を上げていくのか。あるいは寝たきりで入ってきた方などで、車いすを使って起きて生活をしてほしいけれども、皮膚が弱くて床ずれができやすい方がいる。床ずれが起きないように、どの程度休息をとりながらやっていくのか。リハビリテーションだけではなく、ケアとも連携をとって、相談しながら生活のリズムを組み立てていく。そうすることが、ゆっくり、無理なく体力を上げることにつながります。

介護福祉士 私は、主に在宅で生活している方の生活援助や身体介護を担当しています。訪問介護の利用者さんの中には、訪問でリハビリテーションを受けている方も大勢いらっしゃいます。作業療法士さんとは、「今日は歩行状態が不安定でしたよ」など、利用者の状況をお互いに情報共有しています。また、訪問介護では入浴に携わることが多いのですが、入浴動作って、人それぞれなんです。いろんな福祉用具を使っている方も多くて、とまどったり、悩んだりすることがあります。そんなときは、実際に作業療法士さんと一緒に入浴時間に訪問して、一緒に動作を確認しながら、動作の指導をしてもらうこともあります。訪問介護では、生活の場面でしかその方の動作を見ることができないので、実際にリハビリテーションに携わっている作業療法士さんの方が、より詳しく本人の動作を理解していらっしゃるので、頼りにしています。

介護福祉士:原淵聖子さん

介護福祉士:原淵聖子さん

ケアマネジャー 一般的なリハビリテーションとか機能訓練だと、例えば歩行訓練であれば、訓練室の平坦な場所を歩きましょう、ということになりがちですが、うちにはあまりそういう考え方はありません。最終的な目的や本人のモチベーションを考えたうえで、常に生活の視点からリハビリテーションを考える。そうすると、例えば「事務室まで新聞を取りに行ってみませんか」といったようなリハビリテーションになります。

看護師 例えば利用者さんが体を起こそうとするとき。起きるときに、私たちはどうしても手伝いがちになってしまう。作業療法士さんはこういう風に誘導すれば、この人は起きることができる、と考える。「ベッドから起きる」ことから始まって、ベッドの高さや、靴の選定など、行動の一つ一つを細かく検証して、訓練や用具の選定などに落とし込んでくれます。私たちも情報をもらいながら、一緒にやっていくことで機能が伸びた方たちをたくさん見てきました。

介護福祉士 動作の引き出し方は、作業療法士さんから教わることが多いですね。私たち介護担当も、利用者さんが動かないと、どうしても手伝いがちになってしまいます。その方のできる動作を奪ってしまう。作業療法士さんは、こういうやり方で、こういう声掛けをして、と、その人の動作を引き出す支援をしてくれます。

看護師 「生きるために必要な動作」を、こういうやり方をすればこの人はできるようになるんだな、と教えられる場面が少なくありません。

作業療法士 開所当時から、生活の場面の中に、いかにリハビリテーションを生かすかということを考えながらやってきているので、そういう風に言っていただけるのはうれしいですね。「できること」、「できないこと」、「リハビリテーションすればできるようになること」を仕分け、「できないこと」について代わりとなる方法を考えることは、作業療法士ならではの視点です。我々作業療法士は、身体機能・精神機能はもちろん、「生活の視点を」を大切に「活動と参加」を促すために必要なリハビリテーションとして、チームに貢献していきたいですね。

■施設情報
医療法人社団 東北福祉会 介護老人保健施設せんだんの丘
〒989-3201 宮城県仙台市青葉区国見ケ丘6丁目126-51
電話: 022-727-7722 (代表)

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