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TEAM OT変化に柔軟に対応する、急性期リハビリテーション

医療法人安積保養園附属あさかホスピタル・三浦祐司さん

医療法人安積保養園附属あさかホスピタル・三浦祐司さん

医療法人安積保養園附属あさかホスピタル・三浦祐司さん

 福島県郡山市で、精神科・心療内科を中心に、内科、神経内科、脳神経外科、小児科など幅広い診療科目を持つ「医療法人安積保養園附属あさかホスピタル」。さらにグループ法人として、障害者や高齢者の地域生活を支える社会福祉法人とNPO法人があり、児童・障害者・高齢者の医療と福祉に包括的な支援体制の下、取り組んでいる。
 三浦祐司さんは、「スーパー救急病棟」と称される精神科救急病棟に入院している患者さんを治療訓練する作業療法士だ。
 「スーパー救急病棟」の入院日数は、概ね50日間程度。その後は、外来治療の一環として精神科デイケア等を利用する方、あるいは障害福祉サービスを活用する方などさまざまである。

 「あさかホスピタル」では、患者さんの入院直後に院内で医療チームによるミーティングが行われ、患者さんの状態を共有し、支援の方向性が決定される。このミーティングでは、医師からの治療経過の報告、精神保健福祉士から家族背景の情報提供など、各職種からの情報や意見が述べられ、作業療法士や看護師、臨床心理士も常に同席している。週2回行われるこのミーティングに、三浦さんも参加する。三浦さんは、「精神科作業療法が開始されるのは、入院後、落ち着き始めた時期からになりますが、事前にこうしたミーティングに参加することで、患者さんの入院直後からの様子をうかがい知ることができ、作業療法の場面作りには大いに役立ちます」と述べる。さらにここでの情報収集は、精神科リハビリテーションの方向性を決定する上で大きな意味を持つという。

 急性期の精神科リハビリテーションの難しさは、目標設定にあるという。「最近では精神科領域においても、生活行為向上マネジメントなどを取り入れた支援プログラムづくりの動きも散見しています。退院後の地域生活や社会生活のイメージをスタッフと共有した上で精神科リハビリテーションの目標を設定できることが理想です。ところが、急性期の精神科リハビリテーションでは、『なにもしたくない』、時には『死にたい』と訴える患者さんも導入時期には比較的多いと思います。となりますと、目標の設定は当然難しくなります。『就労したい』など目標のはっきりしている患者さんであれば、それに向けて精神科リハビリテーションを組み立てていきます。しかし急性期の患者さんには、退院後の社会生活のイメージを持ってもらう前に、まず“今の生活、病棟での生活そのものに目を向けてもらうこと”がスタートと考えています。また、『自分の何が問題なのか、そもそもなぜ入院や治療が必要なのか』、と訴える患者さんには、活動に繋がらなくても作業場面やプログラムに顔が出せることが大切です。もちろん強制したのでは治療効果があがりません。生活に対する具体的、現実的イメージが乏しい患者さんに、どうやって精神科リハビリテーションの場に来ていただくかを工夫することも、急性期の精神科リハビリテーションにおいては醍醐味となります」と三浦さんは話してくれた。

 さらに症状の変動が激しいことも、急性期の精神科医療では気をつけなければならない点の一つだ。「症状が安定せず、気持ちの波の大きな患者さんは少なくありません。たとえば、薬の量や種類を変えたときなどには、元気がなくなったり、逆に活発になり過ぎたりすることがあります。医療チームとの情報共有がうまくいっていないと、精神科リハビリテーションの方針決定や効果測定の際、判断を誤ってしまうこともあります。何年もお風呂に入っていない人が、退院する時には復職を目指すまで回復する。わずか2~3か月でそうした変化が起こり得るのが急性期のリハビリテーションです。危惧されていたことや予後の想定がいい意味でも悪い意味でも、どんどん裏切られていく。状況の移り変わりの速さに対応できることも必要です」と話した。

 また、児童思春期の患者の入院を受け入れる病院は少なく、そうした患者さんもあさかホスピタルの急性期病棟に入院することが多いという。「小学生や中学生でも入院する方がいます。しかし現在、児童思春期リハビリテーションの専門スタッフは配置していません。われわれ精神科リハビリテーションのチームで柔軟に対応しています」と、地域ニーズに幅広く応えるためにも、作業療法士には柔軟な対応力が求められる。

医療法人安積保養園附属あさかホスピタル・三浦祐司さん

■施設情報
医療法人安積保養園附属あさかホスピタル
〒963-0198 福島県郡山市安積町笹川字経坦45
電話:024-945-1701(代表)

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