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作業療法士になるには

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こんなところで!作業療法士焼肉も、漁も。その人が、その人らしく働けるために

株式会社NSP・仲地宗幸さん

「焼肉パラダイス キングコング」の店内。バイキング方式の焼肉店だ。

「焼肉パラダイス キングコング」の店内。バイキング方式の焼肉店だ。

沖縄の焼肉屋さんは楽しい。バイキング形式で、お客さんは自分で自由に肉をとって焼いて食べることができる。肉だけではなく、サラダはもちろんのこと、お惣菜や沖縄そば、カレー、お寿司を置くところもある。沖縄県沖縄市にある「株式会社NSP」では、就労継続支援A型事業として「焼肉パラダイス キングコング」を経営。11名の障害者が働いている。また、B型事業として漁船「コング丸」による漁も行っている。仲地宗之さんは、作業療法士でありながら、株式会社NSPの専務取締役として、焼肉屋さんの運営に携わり、時には海に出て漁もする。以前は沖縄県内の病院で、精神科の作業療法士として働いていた仲地さんが、病院を出て株式会社で障害者と一緒に働こうと思いたったのには、きっかけがあった。

漁船「コング丸焼肉」に乗って、精神障害のある人たちと、漁に出ている。

漁船「コング丸焼肉」に乗って、精神障害のある人たちと、漁に出ている。

「2011年にイタリア・トリエステに行った経験が大きかったですね」と仲地さん。トリエステは、精神病院を全廃した街だという。「日本はいまだに32万床くらいの精神病床がある、いわば精神病床大国です。ですから、私には、『病床ゼロ』というのが全くイメージできなかった」。精神病床の代わりに、何があるんだろう。暴れてしまう人はどうするのだろう。そんな思いで視察したトリエステ。「数日だけですけれど見学してわかったのは、『社会協同組合』という企業体の中で、いろいろな立場の人が一緒になって働いている、ということ」。全国で七万組織くらいある社会協同組合。その中では障害のある人も、ない人も、一緒になって働いている。「日本が、異質なものを排除する文化を持っているのではないかと思えてきた」。今まで自分が携わってきた医療は、本人に変わることを迫る。そのためのお手伝いをしますよ、と。本人が苦しんでいる要因は、周囲の環境にもあるはずなのに、ひとつの社会を正しいものとして、そこに合わせるだけのお手伝いをしていいのか。では福祉ならいいのか。地域の中で障害者だけを集めてしまう構造それ自体が、地域から分離しているのではないか。障害者とそうじゃない人が一緒になる機会をつくらないといけないのに。福祉が障害者を生んでいる。いろんな立場の人が一緒に働く場を、自分たちで作りたいと、知り合いだったナガイ産業の砂川社長と意気投合。「ナガイ・ソーシャル・プロジェクト」、略してNSPを立ち上げた。「それまでずっと病院勤めで、焼肉も漁も知らなかったけど、むしろそういうことをやってみたかった」と笑う。

仲地宗幸さんは、作業療法士でありながら、漁の指導も、飲食店経営にも携わる

仲地宗幸さんは、作業療法士でありながら、漁の指導も、飲食店経営にも携わる

最低賃金を保証する就労継続支援A型事業の「焼肉パラダイス キングコング」と、最低賃金保証のないB型の「コング丸」。運営の形態は違うが、仲地さんの思いは共通している。「働くという作業を通して、相互理解を深めていくこと」。いろんな人が働きやすい豊かな職場を作り、社会に希望を与えたい。一人ひとりがどんな状態であっても、そこにいていい。いや、いてくれてありがとう、とお互いに思える場を作る。「企業ではどうしても生産性が第一になってしまうけれど、そうではなく、いろんな価値観を認め合う中で、きちんと利益も上げていけることを示したい」。それが企業の新しい価値を作り出すことにもつながる、と、仲地さんは信じている。株式会社NSPでは障害のある人だけではなく、高校進学していない若年者や、定年後の高齢者なども雇用している。今の労働市場では雇用に結びつきにくい人たちと一緒に働ける会社へ。「そこから、豊かな労働環境と、企業の新しい価値を創りだすことを目指しています」。

■施設情報
株式会社NSP
〒904-2172 沖縄県沖縄市泡瀬1-20-30
電話: 098-923-1955

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