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私のスタートライン大学3年生で選んだ、作業療法士への道

一般財団法人 多摩緑成会 緑成会病院・小林弘典さん

 小林弘典さんは、今年(2016年)、28歳。作業療法士として働きはじめて、3年目だ。他の人よりも遅く、作業療法士としてのスタートを切ったからこそ、この仕事に対する思い入れは強い。大学を卒業したあとで学び直し、自ら切り拓いた作業療法士への道のりを聞いた。

大学3年生で選んだ、作業療法士への道

 私が作業療法士を目指そうと思ったのは、実は大学3年生のときなんです。就職活動がきっかけでした。経営学科で学んでいたのですが、卒業後は医療分野で働きたい、と考えたんです。その時は「いわゆる『社会的弱者』の方々の役に立つことができる仕事に就きたい」というくらいの漠然とした思いでした。医薬品メーカーや医療機器メーカーなどに応募しましたが、残念ながらどこからも内定をいただくことができませんでした。

 普通であれば、その段階であきらめて他の業種への就職活動をはじめるところでしょうが、私はそこで、なにか医療系の資格を取得しようと決意しました。親からも友人からも「なんで?」と聞かれましたが、自分でも明確な理由はよくわかりません(笑)。きっかけとなるような出来事も特になかったんです。ただ、思い返してみると、高齢者や障害者など、「社会的弱者」の方々の支えになりたい、彼らが普通に暮らすためのお手伝いをしたい、という気持ちが、自分の中に強くあったんだと思います。看護師や介護福祉士、あるいは理学療法士など、いくつかある医療系の資格の中で作業療法士を選んだのも、作業療法士が他の医療系の職種に比べて「暮らし」により近い場面で仕事をすると知ったからです。郷里の鹿児島から私を東京に送り出してくれ、大学4年間支援してくれた親には、頭を下げて理解してもらい、専門学校に入り、作業療法士を目指すことにしました。

 専門学校の3年間は、人生で一番勉強した時間だったかもしれません(笑)。親にお願いして支援してもらっている身だったので、なにがなんでもストレートで国家資格試験に合格しなければ、と必死でした。もともと文系だったので、理系の科目は特に難しかったことを覚えています。そんな中でも、実習で得た経験は、なによりも貴重なものでした。今でも、実習で担当させていただいた患者さんは、どうしているのかな、と思い返すことがあります。

 でも同時に、作業療法士になった今だからこそ、当時の自分の考え方がいかに甘かったかということも実感しています。たとえば実習で、身体に障害のある方がお風呂に入る練習をする、ということがありました。その時私は、市販の福祉用具を使っていたのです。本当ならば、福祉用具を自分で作るべきだったのではないか。さらに言えば、患者がご自分の家庭でも作れるものを提供しなければいけなかったのではないか。考える姿勢、工夫する姿勢が足りなかった、と思います。

 作業療法士として勤務し、自分が患者を担当するようになってからは、責任感が強くなると同時に、より深いところまで介入するようになりました。たとえば復職が目標となる患者さんであれば、復職先の会社を訪ね、上司に、患者の身体の状況を内科的な側面、機能的な側面両方から説明した上で、業務内容や勤務形態の調整を行います。あるいは、今日も患者の自宅を訪問したのですが、自宅に帰ることが目標の方ならば、住環境を実際に見て、必要に応じて改築を含む環境調整を行い、あるいは作業療法の方針を考えます。「普通に暮らすためのお手伝い」をするという、私が本来やりたかったことをできているので、とてもやりがいがあります。今後は、訪問リハビリテーションなどの領域の知識・経験も積んで、より患者の生活に入り込んだ支援ができればと思っています。

 今となっては、もし作業療法士を目指すことなく、大学を卒業して一般の企業へ就職したらどうなっていたか、想像もつきません。でもきっと、紆余曲折あっても、結局この仕事を選んでいたんじゃないかな、と思います。それくらい、作業療法士の仕事が楽しいですし、やりがいを感じています。

大学3年生で選んだ、作業療法士への道

■施設情報
一般財団法人 多摩緑成会 緑成会病院
〒187-0035 東京都小平市小川西町2-35-1
電話:042-341-3011(代表)

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