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私のスタートライン「患者さんに育てられた」ことを実感した3年間

平塚共済病院・菅里紗子さん

 神奈川県平塚市にある平塚共済病院の作業療法士、菅里紗子さん。この3年間、作業療法士としての菅さんを成長させてくれたのは、患者だったという。

平塚共済病院・菅里紗子さん

 もともと医療従事者になりたかったんです。ただ、その中でもどの職種にするかは決めていなくて。自宅からの距離が近くて、雰囲気もよさそうだったので「行きたいな」と考えていた大学があって、まずはその大学のオープンキャンパスに行ったんです。珍しいですよね、大学から先に決めるなんて(笑)。でも、そのオープンキャンパスで、作業療法士という職種があることを知りました。自助具や装具などの説明にはとても興味がわきましたし、それだけでなく、作業療法にもいろいろな分野があり、それぞれ具体的に患者と接点をもつことができると知って、作業療法士という職種に興味を持ちました。

 作業療法士を目指して大学に入り、臨床実習などを通じて、精神、小児、高齢者などさまざまな分野に触れてきましたが、卒業間近の臨床実習での身体領域の経験がとても印象深く、将来は身体領域に進みたいと考えるようになりました。臨床実習では60歳代の女性を担当させていただきました。その方は脳卒中で手足にふらつきが残っていらっしゃったのですが、独り暮らしということもあって、退院後不自由なく生活が送れるようになることを目標に、一緒にリハビリテーションを行いました。自分でも一番うまくいった実習でしたし、実習後、その方からお礼の手紙をいただき、とても感激したのを覚えています。身体領域は、介入の効果がはっきり見えるので、やりがいがあると思いました。

 身体領域で進路を探すなかで今の病院にも見学に行きました。説明をしてくださった、今では上司である作業療法士の雰囲気から、前向きで研究熱心な印象を受け、入職を希望しました。実際に入ってみると事前の印象通りの職場でした。特にこの病院は手のスプリント(手や指の変形、および変形による痛みを抑えるために使用される装具)製作に関する高い技術を持っていて、私もその技術や経験を学ぼうと、日々勉強しています。

 入職して3年目を迎え、患者を見る視野が広がったことを感じています。入職したばかりのころは、患者の身体機能を見るだけで精いっぱいでした。たとえば手に麻痺が残っている方なら手の機能だけを見ていたように思います。今は経験を積んできたこともあって、その方の動作全体に目を配ることができるようになってきました。またリハビリテーションの時間は、それだけで完結するものではなく、最終的には退院後、その人らしい生活を送るための場であると考えることができるようになりました。

 患者は年配の方が多く、私にとっては人生の大先輩です。特に最初のうちは、よく怒られました(笑)。「わかってないだろ」とか「違うだろ」とか。今考えると、その方の気持ちに寄り添うことなく、こちらのやりたいリハビリテーションを押し付けていたのかもしれません。また逆に「なにかしてあげたい」という気持ちが強く出すぎるのか、作業療法ではなく単なる「介助」に近づいてしまうこともありました。今では、患者と心を共有できるように努力しています。心の落ち込みに寄り添い、少しでもできたことがあればそれを実感していただけるように接しています。リハビリテーションを「どうしてやるのか」をしっかりと説明することも大切なのだとわかってきました。大先輩に小細工は通用しません。まっすぐに、素直に向き合うことで、こちらの意図を理解し、共感していただけることを知りました。わずか3年ではありますが、「患者さんに育てられた」という気持ちは強く持っています。

「患者さんに育てられた」ことを実感した3年間

■施設情報
国家公務員共済組合連合会 平塚共済病院
〒254-8502 神奈川県平塚市追分9-11
電話:0463-32-1950(代表)

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