Opera20号
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地域の中心地の変化っとこれからの話ができる段階に入るのではないでしょうか。しかし、どこでも行政が先走りすぎているように感じます。住民が自主的に集まって何か決めてもその意見を聞かなくて、行政で決めたものを「賛成してください」という態度になることもあります。これでは自主的に動いても仕方がなくなって住民は分断されていくだけです。昭和8年の三陸津波被害のあとに比べたら復興のスピードは、格段に速くなっていますが、その一方、みんなで力を合わせる住民力が大きく削られています。――この集落に小学校がありますね。津波が来たときは、体育館は床上約1m、校舎は床上約10㎝浸水しました。子どもたちは裏山の避難階段を使って全員無事に避難できましたが、「津波の来るところに子どもを預けたくない」という声が大きかったため、震災前に耐震工事を終えたばかりでしたが結局廃校になりました。――小学校の跡地は?昨年秋頃に校庭が貯水池となり、山からの自然災害への対策が図られました。地域の排水路から、この貯水池に水を逃すことができます。校舎の跡地には、理想を言えば、企業が誘致できればうれしいですね。被災した地域を一通り案内してもらったのち、小本川左岸の内陸側の高台に造成された復興住宅を訪ねた。こちらには住宅建設会社が建てた新しい家々が立ち並ぶ。長崎さんが大工としての腕をふるう新築の住宅も完成間近であった。――復興住宅に住まれる方々は?世帯数は現在こちらも43世帯ほどで、若い世代が中心です。復興住宅の土地は元々住んでいた土地と交換する形で手に入れることができますが、家については補助金が出るとはいえ、資材高騰もあり平均で2000から3000万円ほどの建築費がかかります。住宅ローンの組めない高齢者には、重すぎる負JAPANESE ASSOCIATION OF OCCUPATIONAL THERAPISTS 14     小本小学校●津波によって体育館は床上約1m、校舎は床上約10cm 浸水した。耐震工事を終えたばかりだった。8km ほど上流からも多くの児童が通っていたので、「津波の来るところに子どもを預けたくない」との声が大きかったため、廃校になった。(2015年2月7日撮影)小本小学校・小本中学校(新校舎)●復興住宅から程近い、小本小学校・中学校の新校舎。1、2階に小学校が、3、4階に中学校が入る。体育館は小中それぞれにあり、「やませ」対策に屋内プールも作られた。(2016年2月11日撮影)被災地支援小本小学校避難階段●小本小学校の後ろの高台までまっすぐ登ることのできる長さ約30 m、130 段の避難階段。震災の2年前に完成。階段の下約2m地点まで津波が到達したが、児童88 名全員が無事避難することができた。(2015年2月7日撮影)

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