オペラ18号
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(取材2013年7月31日 Photo関大介)企業と家庭や福祉施設との連携作業療法と近い発想働くことによって愛以外の3つの幸せは得られるのだ。私はその愛までも得られると思う(大山泰弘)」大山会長は静かに語る。.  「日本国憲法には、〝全て国民は、勤労の権利を有し、義務を負う〟とあります。福祉の〝福〟は食べていけるモノの幸せ、〝祉〟は心の幸せです。人間を幸せにできるのは、福祉施設と企業の両方がコンビを組んでこそです。ベルギーには、一般社会では働けない人に働ける場を用意した企業に、国が最低賃金を支払う制度があります。その制度を日本に適用すれば、福祉施設で国が面倒をみて1人年間500万円ほどかかっているのが、350万円ほど減ります。中小企業の経営体質も強化されます。障害を持つ子の親は、将来への不安が少なくなり、障害者が地域で自立できれば地域の活性化にもつながり、〝四方一両得〟になるのです」大山会長は、それぞれの障害者が現在持っている能力や理解力に合わせて作業できるように環境を整えるのは企業の使命だと強調する。そのうえで、採用基準は「4つの約束」。自分の身辺処理はひとりでできる。簡単でもいいから返事ができる。一生懸命仕事する。まわりの人に迷惑かけない。この4つ。最初の面接の際、保護者ないし福祉施設や学校の先生の同席のもとで、さらに次のような約束をする。「もし、会社の中でまわりに迷惑をかけることがあったら、その場で仕事をストップして、自宅ないし福祉施設に連絡して、帰します。そして、本人の口から〝もうしないから、もう一度働きたい〟という言葉が出たら、すぐに電話してください。翌日から普通に仕事をさせます、と伝えます」やはり、ひとりでゲームなどをしているより、友達と一緒に仕事をして、人にほめられたり、人から必要とされたりするほうが嬉しい。だから、「ぼく、もうしないから、もう一度……」となっていく。その繰り返しの中から、我慢する抵抗力も育てられていく。「発達障害の人も障害を克服して成長しています。それは、企業と家庭や福祉施設との連携があってこそなのです」と大山会長。日本理化学工業では「キットパス」も生産している。16色まであってクレパスのような使用感。ガラスやアクリル板など、つるつるしたところであれば、濡れた布などで簡単に消すことができるし、濡れていても描くことができる。そのため、色を楽て五感を刺激しながら絵を描くこともできる。失敗しても簡単に直せるので、リハビリテーションで身体を動かした結果を、「作品」として見ることもできる……。作業療法のさまざまな場面で活用できそうなツールだ。作業療法と発想の近い企業との出会いである。ししみ、な屋が外らで気景軽色にやお風絵の描かきおがりでをき感じる7 JAPANESE ASSOCIATION OF OCCUPATIONAL THERAPISTS50本入りのケースに収めるのもアッという間検品の仕方にもさまざまな工夫ミキサーに材料を入れて、スイッチを押したら、砂時計をひっくり返して、砂が全部下に落ちたら、スイッチを止める

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