Opera19号
11/16

その後のリハビリテーションの中から、自分の障害を受け止めながら、心身ともに社会復帰のための準備に入った。「右利きでしたので、左手を使えるように切り替えていく過程で、絵を描き始めました」と、線が引けなくて点で描いた奥さんの顔の絵を披露した。角を上げて笑顔のような表情をつくると、自然と心の中が温かくなります」とも語る。そして「障害者だからできること、障害者だからこそ楽しめることに挑戦し、それを地域や仲間に伝えていきたい。障害者も地域に住む住民もみんなでお互いに手を取り合える、支え合える地域を育てていきたい」と結んだ。損傷からの機能回復――使うか、それも失うか」、「脳損傷者のリカバリーの過程と支援――高次脳機能障害デイケアの経験から」と題する講演に移る。脳には「可塑性」があるが、失いかけた機能を代償するには、それまでかかわっていなかった脳組織が新たに機能を獲得する必要があるので、また、「脳をだます」として、「口大会は、2人の専門家による「脳この中で、次のように説明された。訓練を継続して絶えず脳に刺激を与えなければならない。そのような強い意志を求める訓練や練習を重ねるには、コミュニティの理解と支援が必要である。また、次のような見解が紹介された。脳損傷による障害は、何年かけても回復するという期待を持つべき。回復とは症状がなくなることではなく、生活がおくれること。そういう回復を構成するのは6つの要素――①疾患と自己を分離すること、②選択できる自由があるという信念を再獲得すること、③希望を持つこと、④生きる目的を持つこと、⑤責任ある役割をとること、⑥孤独でないこと。続く「当事者と支援者の体験に学ぶ」では、2組の当事者家族が登壇。11 JAPANESE ASSOCIATION OF OCCUPATIONAL THERAPISTS当事者家族は、発症時の経緯や当時の不安、自立に向けて努力する日々の生活にまつわるさまざまな体験を語る。子どもたちが投げかける心ない言葉に傷つけられたこともあって、そうした子どもたちに注意できる地域づくりの大切さが伝わった。また、些細に思われそうなまわりの支援や家族の支え合いの温かみを伝える話もされた。ユーモアをまじえた飾りのない話に、会場からはいく脳損傷からの機能回復への日々の挑戦を支えるのはコミュニティ当事者家族の体験談と見事なパフォーマンス      当事者による見事なパフォーマンスが続く。アフリカ太鼓、スポーツ吹矢、フライングディスク……

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る