Opera19号
13/16

第1回大会から、大会の半分くらいは当事者とその家族の方々が舞台に立って、いろんな体験を語り、得意のパフォーマンスをしてきました。僕は、障害がある方々のそうした元気な姿を拝見して、正直、感銘を受けます。このような、当事者・家族、福祉系、医療系などさまざまな人が同じ場に集まり、専門家の解説や多方面からの意見を出し合って交流する場は、そんなにありません。僕にとって一つのキーワードは「双方向」です。これは、「ともに生きる」「支え合う」と置き換えてもよいでしょう。要するに、支援する側・受ける側の関係は「一方通行」ではないということです。支援する側は、単に「仕事」としてではなく、同じテーブルについて主体的にかかわることが得てして忘れられているように思いますが、求められているのはやはり主体的に「双方向」でかかわるコミュニティです。 「あれは例外」と言われないように、障害がある元気な人にたくさん出ていただくようにすることが、当面のめざすところです。長谷川幹代表 「学会」ですから、「感情論」や「感動論」ではなく、学問的に学ばなければならないということはあります。しかし私は、「学会=学ぶ会」ということを強く思っています。この「学会」は、コミュニティを学ぶ会であり、学ぶことによって一緒にコミュニティをつくっていく集まりでもあります。副大会長が中心になって、1年間、県内各地をまわって大会を準備してきましたが、この大会は福島県にとってこれからの始まりの場です。そして、気持ちがつながる2日間のコミュニティができました。ケアする・されるではなく、平らにつながる「ケアリング・コミュニティ」という考え方は、これからの日本にとって大切になっていきます。それを、大げさではなく、地元に足場を据えて地道に少しずつ継続的に進めて、いくつものケアのリング(輪)のあるコミュニティができれば、と考えています。太田睦美福島大会大会長す。だから、一緒に地域をつくっていこうという想いは同じはずですが、なかなかそうなっていません。その状態を少しでも改善していくために、いろんなスタンスでみんな頑張っていかなければいけないのです。障害があることの大変さよりも、「前向きに生きようよ」という話をしてきましたので、それを、これからもずっと伝えていきたいと思っています。       矢は8年、フライングディスクは3年やっていて、指導員の資格もとりました。できた・できなかったという結果ではなく、挑戦することが大切です。今は、指導者として、その人が上手になっていく積み重ねや、その人が元気になってくれるのを見て楽しんでいます。スポーツ吹矢もフライングディスクも、障害者と健常者がお互いに勝負できるスポーツです。「障害者スポーツ」に閉じ込めるのではなく、みんなで一緒に楽しめる環境をつくっていければ、と願っています。健常者も障害者も同じように地域を構成する一員で大会を準備するために、県内各地をまわって、私が私は、もともとスポーツが好きでした。スポーツ吹白岩源一福島大会副大会長13 JAPANESE ASSOCIATION OF OCCUPATIONAL THERAPISTSINTERVIEW

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る