Opera19号
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的責任)の一環として障害者雇用にークに通い、障害者就職面接会に参加したが、なかなか採用にいたらなかった。いつも「高次脳機能障害って何ですか? か?」と聞かれた。像とは関係ない簡単な事務仕事の補助ですけど、来ていただけますか」。ほとんど諦めかけていた時にかけられた言葉だった。「なんとか社会参加させてやりたかったので〝なんでもいいです。お願いします〟と即答しました」と、お母さんの園部眞理子さん。園部さんは、1年半ほどハローワどういうものです伊予銀行が最後の面接だった。「映伊予銀行は、CSR(企業の社会力を入れていて、現在53名の障害者を雇用している。障害者雇用をさらに拡大するためにも、行員のメンタルヘルスのためにも必要と考えて、昨年5月、作業療法士の小川三佳子さんを雇用した。「われわれは金融のプロですが、そちらの面では素人ですので、プロの力をお借りすることにしました」と、人事部審議役の白石利郎さん。園部香代子さんの声を聞こう。 「今は、主に朝礼ビデオやロビービデオを各支店に発送する仕事をしています。これまでとは畑がまったく違う銀行の仕事を理解するのに時間がかかりました。たとえば、個人情報は家族にも話してはいけないというコンプライアンスがあります。DVDの誤発送はあってはいけないので、いつも慎重に作業しています。最初は1つのことをするのに精一杯で、2つ3つのことを言われると忘れてしまいました。たとえば家で料理の練習をした時も、途中で宅配の人が来たり電話がかかってきたりすると、鍋の火を止めるのを忘れてしまいました。仕事のミスがどうしてもなくなら      ないので、自分では〝できた〟と思っても、もう一度確認する癖をつけ周囲の人たちの温かい日々奮闘中ほとんど諦めかけていた時に自分のミスを障害のせいにしない東京でテレビドラマや映画制作の助監督をしていた園部香代子さん。8年前、交通事故に遭い、40日後にやっと意識が戻った時、高次脳機能障害と告げられた。でも、2年ほど前からは、愛媛県松山市の伊予銀行広報CSR室で働いている。園部さんの奮闘ぶりとまわりの人たちのサポート態勢は……。JAPANESE ASSOCIATION OF OCCUPATIONAL THERAPISTS 14高次脳機能障害者の就業サポートのなかで園部香代子さん

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