2025年度 災害対応力向上を目指した シミュレーション訓練のご報告
2025年9月25日、災害対策課は、都道府県作業療法士会の皆様のご協力のもと、大規模災害発生を想定したシミュレーション訓練を実施しました。
本訓練は、災害時における地域の被災状況や会員の安否を迅速に把握し、必要な支援を企画・実行する体制を整えることを目的として実施しているものです。2025年度も、各士会の実情に応じた柔軟な参加形式を採用し、士会役員・ブロック担当者・会員レベルでの連絡網を活用した安否確認や情報収集を実施していただきました。
本会では災害発生時における支援の迅速化と的確化を目指し、訓練で得られた知見をもとに、引き続き体制整備を進めて参ります。ご参考までに、協会ホームページ等でもご紹介しましたように、令和6年能登半島地震において本会は、以下のような対応をいたしました。
・被災地域の会員の安否確認(県士会で実施した内容の補完として)
・必要な支援に関するアンケートの実施
・回答内容をもとに、本会災害対策本部による支援企画の立案
・支援企画の実行
災害時に速やかにこれらの対応を行うためには、平時からの備えが非常に重要です。2025年度のシミュレーション訓練では、以下のような成果が確認されましたので、今後のご参考にしていただきますと幸甚です。
良かった点のコメント
2025年度のシミュレーション訓練では、安否確認率や返信率の向上が複数の士会で確認され、継続的な訓練の成果が表れました(表1)。

表1 シミュレーション訓練結果
メールニュースやメーリングリストによる周知、災害を具体的に設定した訓練内容(図1)、直前の実災害の影響等が、会員の当事者意識を高め、迅速な返信につながりました。

図1 訓練シナリオ
また、LINEやGoogleフォーム、二次元コード等、多様な連絡手段の活用(図2)により、情報収集の効率化が進み、即日全員からの返信を得た事例もみられました。

図2 使用ツール
委員間や施設・ブロックとの連携も強化され、1,000名以上の安否確認や二重確認体制の導入を実現する等、訓練が定着していたところがありました。
課題点のコメント
2025年度のシミュレーション訓練では多くの成果が得られた一方で、安否確認率の伸び悩みや地域間の差が課題として浮き彫りになりました。全体の確認率は前年を下回り、一部地域では大幅な減少もみられました。また、メーリングリストやLINE等の連絡手段が全会員に行き届いておらず、情報の未着信や施設内での伝達不備も指摘されていました。ツールの登録状況にも偏りがあり、特に自宅会員や一人職場の会員への対応が課題となっているようでした。
さらに、訓練の目的が十分に伝わっていないことによる返信行動の低調や、会員層による意識の差もみられました。
総括コメント
本年度の訓練を通じて、会員の災害リハビリテーションへの意識が徐々に定着してきた一方、災害の少ない地域では危機感や関心が薄く、継続的な啓発の必要性が指摘されました。
情報収集・伝達手段については、Googleフォームや二次元コードの活用により効率化が進んだ一方で、LINEやFAX、メーリングリストの運用には課題が残り、登録状況の偏りや情報未達への対応等の課題も明らかになっていました。
結びに、ご多用のなか、訓練にご参加・ご協力いただいた各士会の皆様に心より感謝申し上げます。今後とも、より強固な災害対応体制の構築に向けて、引き続きご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
2025 年度災害支援研修会 活動報告
2025 年11 月29 日に地域社会振興部災害対策課主催の災害支援研修会を実施しました。
まず、本会の基本指針改定に伴う情報提供と、協会の災害支援について説明を行いました。内容として、能登半島地震発生時に本会がどのような対応を行ったかを報告するとともに、災害支援ボランティア登録者の情報がどのように活用されたかについて情報提供を行いました。
研修会では、恵寿総合病院の川上直子氏を講師としてお招きし「災害発生時にリハビリテーション職種としてどのように行動するか~実際の災害発生時の経験について~」をテーマにご講義をいただきました。能登半島地震において、災害発生直後に組織として実際に行動したことや職員個人として経験したこと、それらを踏まえて今後に向けて備えるべき点についてのご提案等、たいへん興味深い内容でした。
その後、グループディスカッションを実施し、研修会参加者同士で意見交換を実施しました。災害が発生した際、自分自身の所属する組織ではどのように対応するか、どのような備えが不足しているか、個人として備えると良いことはどのようなことか等、川上氏の講義内容を踏まえて、同じ領域(病院や介護施設、教育機関等)に属する参加者同士でディスカッションすることで活発な意見交換となりました。
本研修について、参加者のアンケート結果の一部を紹介します。多くの受講者より、日々の生活において災害に対する備えを実践したいという回答を得たことがお分かりいただけると思います(図3)。来年度以降の研修会については、参加者の方々よりいただいたご意見などを参考に、今後検討をしていく予定です。

図3 今回の研修会に参加して、受講した内容を仕事や日常で実践したと思ったか
(地域社会振興部 災害対策課)
