2026年度重点活動項目

2025年度第3回定例理事会(2025年8月23日開催)において、2026年度重点活動項目が承認されました。最終的には5月30日に開催される2026年度定時社員総会で報告されます。

重点活動項目は、一般社団法人日本作業療法士協会の中期計画(第四次作業療法5ヵ年戦略)をもとに、当該年度に取り組む事業の最重点事項を示すものです。第四次作業療法5ヵ年戦略は「地域共生社会5ヵ年戦略」と「組織力強化5ヵ年戦略」の2つの柱によって構成されているので、重点活動項目においてもそれぞれの上位目的に準拠した項目が挙げられています。2026年度の項目数は、地域共生社会5ヵ年戦略関連3項目、組織力強化5ヵ年戦略関連2項目と特別重点項目の2項目を加えた7項目となりました。以下に全文を示し、各項目について内容を概説します。

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2026年度重点活動項目 解説

Ⅰ.地域共生社会5ヵ年戦略関連の解説

1.5歳児健診および学校教育における作業療法士の実態把握と支援方法に関する教育・参画者育成を、都道府県士会と協働で実施(制度対策部、教育部、地域社会振興部)

2.地域で活躍できる作業療法士の卒前・卒後一貫した育成システムの一部となる地域事業参画者向け認定制度の運用を都道府県士会と協働で実施(教育部、地域社会振興部)

3.新たな地域医療構想に対応した作業療法の方針の策定および都道府県士会・会員への周知(制度対策部、地域社会振興部)

1:こどもの領域において求められている就学前後の切れ目ない支援への寄与を目的として、5歳児健診や学校教育の場への作業療法士参画と実践の推進を図ります。

具体的な取り組みとして、実際に支援ができる作業療法士の育成研修会を開催するとともに、各都道府県作業療法士会における実践状況の調査を実施します。

また、士会において、こども領域の実践者や特別支援教育に関する士会担当者と、協会市町村担当者(士会のマネジメントの下、地域事業に関連した情報把握・渉外・教育・実践等にかかわる協会員を、市町村単位で担当配置。2023年度から配置開始)との協力が図れるよう働きかけ、地域における支援体制の充実を目指します。全国の取り組みは士会担当者や協会市町村担当者からの情報によって集約され、全国に発信されます。

2:「地域で活躍できる作業療法士」を具現化するため、養成教育から臨床現場までをつなぐ一貫した育成の流れを再構築するとともに、協会と士会が協働して地域事業への参画教育を充実させていきます。焦点化するのは一貫した流れの「河口部分」であり、実際の地域事業に会員が参画可能にしていくシステムを開発します。関連部局が連携し、生涯学修制度との整合性を踏まえながら、地域事業参画のための具体的な研修プログラムを構築し、研修修了者のステータスを協会・士会内外で活用します。

また、これらのプログラムの運用にあたっては協会と士会が連携し、士会が実施する既存の教育システムとも整合を図っていきます。

3:2024年12月に厚生労働省が2040 年を見据えた新たな地域医療構想をとりまとめ、「治す医療」と「治し支える医療」を担う医療機関の役割分担を明確化し、地域完結型の医療・介護提供体制を構築すること、外来・在宅、介護連携等も新たな地域医療構想の対象とすること、また精神医療もそのなかに位置付けることとなりました。この目指すべき方向性に対応する作業療法の提供体制のあり方について、渉外活動、会員への情報提供など総合的な対策を推進していきます。

新たな地域医療構想では、病院機能の再編が進められ、これに伴い、作業療法士の地域事業参画にも影響が生じることが想定されるため、協会市町村担当者等を活用し、継続的に地域状況の把握や情報発信を行っていきます。

 

 

Ⅱ.組織力強化5ヵ年戦略関連の解説

1.「登録作業療法士」の目標数達成に向けた申請準備の周知徹底(教育部)

※登録申請が始まる2027年4月1日時点において登録作業療法士要件を満たす会員約27,000人(2030年度目標30,000人)の申請手続きの準備を士会の協力を得ながら2026年度中に進め、2027年度上半期には27,000人完了を目指す。

2.協会のグローバル化へ向けた外国資格を有する作業療法士の協会事業への参画の仕組みを規定(国際部)

 

1:昨年度から施行された登録作業療法士制度について、生涯教育制度下で研修を受けてきた会員と現行制度下で研修を開始した会員が合流する2027年度での目標数を明確に掲げ、その推進を強化します。

2:昨年度、国際部では海外作業療法士免許取得者への調査やヒアリングを進めてきました。

今年度は、より多くの海外作業療法士免許取得者に学会や研修会等の講師として登壇いただく、会員へ最新の国際情報の提供にご協力いただく等、海外作業療法士免許取得者に協会事業へ参画していただく仕組みを検討・整備していきます。協会事業へ参画いただくことで、会員の国際交流/学習機会の質と量を充実させ、協会および会員の国際化に貢献することが期待されます。

 

 

Ⅲ.特別重点項目関連の解説

1.報酬改定要望に向けた根拠資料(エビデンス)作成の部署連携整備におけるプロセス構築と規定等の策定(学術部、制度対策部) 

2.設立60周年記念式典の開催及び関連事業の実施(60周年記念事業実行委員会、総務部)

 

1:医療費の増大と評価の厳格化により、エビデンスに基づかない診療報酬改定の要望は採用されにくくなっています。現状、本会からの要望は制度運用に関する改善提案が大半を占め、根拠資料も実態調査や限定的な症例報告にとどまっています。

今後、要望の根拠を安定的かつ継続的に整備していくためには、新たな体制や部署横断的な連携が必要となります。そのため、エビデンスの収集・分析・提示までの一連の作業を標準化し、報酬改定の要望に資する運用プロセスおよび規定を整備・実装することで、将来にわたり持続可能な制度提案力を高めることを目指します。

2:9月25日に協会設立60周年を迎えます。これを記念して、9月4日に式典と祝賀会を東京都・ホテルニューオータニにて開催します。記念式典・祝賀会をはじめとする設立60周年記念事業を成功裡に実施し、次の10年に向けての礎とします。