認知機能の低下によって起こる生活のしづらさに対して、「道具」や「環境」を工夫して、生活のなかでの「できる」を応援するヒント集です。
はじめに
高齢になったり、物忘れなどの認知機能の低下によって、ふだんの生活で何気なく行っている、着替えや入浴、料理や買い物、公共交通機関を使った外出などの生活行為に困ることがあります。特に認知症では、買い物、食事の支度、薬の管理といった複雑な生活行為が早期から支障されるといわれています。
そういった生活行為の支障に対して、暮らしの中の「道具」や「環境」を工夫し、本人の暮らしがいつまでもできるよう、続けていけるようにすることが、認知症のリハビリテーションです。
この「ヒント集改訂版」では、物忘れなどで困っている人のためどのような工夫ができるか、そのヒントを示しました。紹介させていただくヒントは一例です。困ったときはひとりで頑張り過ぎずに、周囲の人や、作業療法士等にご相談ください。ひとりひとりの能力が発揮できる、生活の中での「できる」を応援していきます。
*「生活行為を続けるためのヒント集-改訂版-」は令和6年度老人保健健康増進等事業「認知症リハビリテーションの推進のための調査研究事業」にて作成しています。
この冊子の使いかた
困りごとが起きやすい13の生活行為とそれに対する工夫を集めました。
● 困ること 日常生活のよくある困りごとを紹介します。
● こんな工夫ができます 困ることに対する工夫の例をイラストで表しました。工夫のコツも具体的に解説しています。
● 関係する主な機能や要因 困りごとに関係する認知機能の障害などの例です。
● 大事な視点 困りごとを読み解き、工夫を考えるうえでの考え方を紹介します。
よくある困りごとと工夫
それぞれの項目ごとに印刷してご利用いただけます。冊子体で印刷される場合はこちら
1.予定の管理
2.外出
3.家電・スイッチ
4.買い物
5.金銭管理
6.電話の利用
7.服薬
8.調理
9.整頓・掃除
10.洗濯
11.着替え
12.入浴
13.排泄
認知症の方への作業療法
認知症の人と家族の方へ、作業療法士はさまざまなところで支援をしています。こちらよりご覧ください。