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演題分類枠組み,ICF,従来分類対照表

「演題分類枠組み,ICF,従来分類対照表」について

 2001年には国際障害分類(ICIDH)が国際生活機能分類(ICF)へと変わり,健康状態を考えるための科学的基盤が国際的にも共通な用語に変わりました。日本作業療法学会としてもICFの枠組みに基づいて演題分類を行い,プログラム運営を行ってきました。しかし,演題区分・分類の選択については,旧分類とICFとの比較を行う上での何らかの参考が必要とのことで「演題分類枠組み,ICF,従来分類対照表」を作成しました。募集要項の「演題区分・分類の選択」の項目の詳細説明がこの表です。演題登録の際に参考にして下さい。

演題分類枠組み,ICF,従来分類対照表 (2005.8.17)

演題分類枠組み (詳細説明) 対応するICF (WHO, 2001)の項目 従来分類
01.疾病 診断名に基づく症状の特徴について述べたもの。症状や評価結果の経過を追ったものや,複数の評価結果間の関連性を検証した研究を含む。特定の医学的治療法の紹介や効果の報告を含む。
02.筋骨や末梢神経の障害 筋骨や末梢神経の障害について述べたもの。スプリントや義肢など身体構造の障害を回復,代償するためのアプローチを含む。症状そのものの記載は疾病の分類に入れる。 身体構造:神経系の構造,目・耳および関連部位の構造,音声と発話に関わる構造,心血管系・免疫系・呼吸器系の構造,消化器系・代謝系・内分泌系に関連した構造,尿路性器系および生殖系に関連した構造,運動に関連した構造,皮膚および関連部位の構造 1.身体障害(一般)
03.感覚-運動機能 脳卒中,頭部外傷など中枢神経の障害について述べたもの。上肢機能,疲労,痛みについての研究を含む。感覚検査,運動機能の評価法についての研究を含む。神経学的運動療法や認知運動療法を含む。症状そのものの記載は疾病の分類に入れる。体力維持・増進,介護予防のための体操や運動を含む。 心身機能(感覚機能と痛み,音声と発話の機能,心血管系・血液系・免疫系・呼吸器系の機能,消化器系・代謝系・内分泌系の機能,尿路・性・生殖の機能,神経筋骨格と運動に関連する機能,皮膚および関連する構造の機能)。活動と参加(運動・移動) 2.身体障害 (CⅤA)
3.身体障害(脊髄損傷)
04.認知機能 意識・注意,記憶,認知,行為などの高次脳機能障害や,そのアプローチについて述べたもの。高次脳機能の評価法についての研究を含む。 心身機能(精神機能)。活動と参加(学習と知識の応用,一般的な課題と要求,コミュニケーション) 7.高次脳機能障害
05.知的機能 痴呆など知能の障害や,そのアプローチについて述べたもの。知的機能の評価法についての研究を含む。痴呆予防を含む。 心身機能(精神機能)。活動と参加(学習と知識の応用,一般的な課題と要求,コミュニケーション)
06.発達 発達のプロセス,発達障害,そのアプローチについて述べたもの。発達に関する評価法についての研究を含む。発達促進を含む。 心身機能,身体構造,活動と参加 5.発達障害
6.老年期障害
07.精神障害 精神関連疾患に基づく精神障害や,そのアプローチについて述べたもの。疾患や症状そのものの記載は疾病の分類に入れる。精神障害に関する評価法についての研究を含む。 心身機能(精神機能)。活動と参加(一般的な課題と要求) 4.精神障害
8.心理 ストレス,不安,障害受容,性格,興味について述べたもの。ニード,生活の質(QOL),人生の語りで他に分類できないものを含む。介護負担に関する研究を含む。心理,ニード,QOLに関する評価法についての研究を含む。ストレスや不安のマネジメント,リラクセーションを含む。 心身機能(精神機能)。活動と参加(一般的な課題と要求)。個人因子
09.対人関係 コミュニケーション,対人関係スキルについて述べたもの。社会生活技能訓練(SST)を含む。コミュニケーション自助具については援助機器の分類に入れる。集団を使ったアプローチについては治療的作業の分類に入れる。対人関係に関する評価法についての研究を含む。 活動と参加(一般的な課題と要求,コミュニケーション,対人関係)
10.セルフケア 自分の身の回りの世話や自分のための簡単な家事,セルフケア,IADLについて述べたもの。嚥下障害や書字困難についての研究を含む。特定の日常活動を改善するための自助具や機器の利用や家屋改造を含む。特定の自助具や機器,特定の家屋改造の特性について述べたものは援助機器の分類に入れる。ADL,IADLに関する評価法についての研究を含む。 活動と参加(セルフケア,家庭生活) 8.日常生活活動
11.仕事 復職援助,職業リハビリテーション,職場や学校での援助について述べたもの。家族のための家事,ボランティア,地域貢献活動を含む。義務や使命感を伴う活動を含む。就職,職場内での異動,退職に関する研究を含む。仕事に関する評価法についての研究を含む。 活動と参加(主要な生活領域)。環境因子(生産品と用具,支援と関係,態度) 10.就労・就学
12.余暇活動 手工芸,絵画,音楽,園芸,スポーツ,趣味,旅行など楽しみを伴う活動について述べたもの。学習,社交など生活に潤いをもたらす活動を含む。生きがいや生涯学習,自由で遊び心のある活動を含む。余暇活動に関する評価法についての研究を含む。 活動と参加(コミュニティライフ・社会生活・市民生活)。環境因子(生産品と用具,支援と関係,態度)
13.作業全般 特定の活動よりも,生活するための活動全般あるいは異なる種類の複数の活動について述べたもの。自立生活,地域生活,作業バランスに関する研究を含む。複数の作業についての意味や語りについての研究を含む。介護予防や生活再構築のための作業に関する研究を含む。活動を特定しない作業に関する評価法についての研究を含む。 活動・参加 11.地域
14.治療的作業 作業そのものの特性や,作業の要素について研究したもの。作業分析,治療的に工夫した作業,集団で行う治療的作業,治療場面の設定や場の利用を含む。目標を達成するための手段として用いた作業の研究を含む。作業を使った評価法についての研究を含む。 該当なし
15.援助機器 自助具,福祉用具,リハビリテーション機器,テクノエイド,アシスティブテクノロジーについて述べたもの。全般的な住宅改修を含む。援助機器に関する評価法についての研究を含む。 環境因子(生産品と用具) 9.支援技術・住環境・機器
16.サービス環境 社会的及び制度的環境について述べたもの。家族や関係者との関わりを含む。保険制度,行政施策,施設,部門の体制など作業療法を取り巻く環境,システムや,その影響について述べたもの。チーム連携や,複数の職種や機関のネットワークについて述べたもの。地域との関わり,当事者団体や市民団体との関わり,について述べたものを含む。環境に関する評価法についての研究を含む。 環境因子(自然環境と人間がもたらした環境変化,支援と関係,態度,サービス・制度・政策) 11.地域
17.専門職関連 作業療法に関係する理論,倫理,管理,協会,研究,専門職としての成長について述べたもの。作業療法士の役割,職域,国際的ネットワーク,海外協力・海外支援に関する報告を含む。専門職団体としての他機関とのかかわりを含む。 13.基礎研究
14.理論・方法・原理・歴史
15.管理・運営・倫理
18.教育 作業療法士養成カリキュラム,生涯教育,卒前・卒後教育,職場内研修について述べたもの。ファカルティ・ディベロップメントや教育評価に関する評価法についての研究を含む。 12.教育
00.その他 1~18に分類できないもの。