生涯学修制度について
生涯学修制度の必要性
なぜ今、生涯教育制度の一新が必要なのか
作業療法士が活躍する臨床実践現場のさまざまな領域への広がりと同時に、作業療法士有資格者の質の担保の必要性が生じてきました。
また、作業療法士の働き方やライフスタイルも多様化しています。
このような背景のなか、現行の生涯教育制度においても内容の見直しを図ってきましたが、現行制度に参画する会員は決して多いとは言えません。
これらの課題に対して協会員がより参画しやすい制度となるべく、卒前と卒後の教育および学修の連続性を考慮した仕組みを構築した、新たな生涯学修制度が2025年4月より開始します。
生涯学修制度の概要・目的
新しい生涯学修制度の導入で作業療法士という専門職は何を目指すのか
新しい生涯学修制度が導入された後も、現行の認定作業療法士制度と専門作業療法士制度は引き続き運用されます。
登録作業療法士となった後、認定作業療法士と専門作業療法士を目指していただくことで継続的な学びを促進し、作業療法士一人ひとりが描くキャリア形成の支援としていきたいと考えています。
解説)本構造図の右軸は時間軸を表し、本制度における取得する順序を表している。
目指すべきは、ジェネラリストおよびスペシャリストであり、登録作業療法士と認定作業療法士はジェネラリストであることを示している。
ここで登録作業療法士と認定作業療法士の大きさの違いは、幅広い知識や技能、視点を持っているのが認定作業療法士であり、そこに至る過程にあるのが登録作業療法士である。
このため、登録作業療法士よりも認定作業療法士の枠を大きく表現している。
また、認定作業療法士の先には、専門作業療法士を目指していくことができるが、スペシャリストである専門作業療法士は、ジェネラリストとしての認定作業療法士の視点を生かしながら、国民に高品質のサービスを提供するプロフェショナルである。
このように、作業療法士は、組織および地域における多職種協働に必要なマネジメント能力を有するジェネラリストとしての力は、専門作業療法士においても欠くことのできないため、認定作業療法士と専門作業療法士の枠は同じ大きさで表現している。
生涯教育制度からの大きな変更点とは
2025年度から始まる新しい生涯学修制度は、これまでの生涯教育制度の仕組みを引き継ぐ部分も多くありますが、大きな変更点があります。
それは、まず名称の変更、そして新たに構築する登録作業療法士制度です。
名称変更については、作業療法士がその職責を果たすために必要な学びは、自らそれを行い、そして生涯継続されるものであると考え、「教育」という言葉から「学修」という言葉に相応しいとする意図があります。
このように「作業療法士としての研鑽」は生涯にわたる取り組みであり、本会はそれをしっかりと支える責務があります。
同時に、生涯学修に取り組み、さまざまな能力を獲得した会員の存在を広く社会に周知することも責務であると考えています。
登録作業療法士制度は、生涯学修制度の基盤となるものです。前期・後期計5年間の研修を通して標準的な作業療法を実践する力を身につけます。
具体的には、臨床実践現場による実地経験と臨床に即した座学、演習を取り入れました。
前期研修はeラーニングとし、より多くの会員がアクセスしやすい仕組みとしました。
また、座学・演習は最新の知見を盛り込み、中身の充実を図りました。
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ラダーについて
クリニカルラダー
クリニカルラダーについてはこちら(PDF)
生涯学修制度PV
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生涯学修制度の動画(生涯学修制度の説明用動画)
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生涯学修制度の読み替え(2024年以前の入会者)
登録OT読み替え実施時期について
2025年度と2026年度の2年間は、現在の「生涯教育制度」と新たに導入される「生涯学修制度」の両方が並行して運用されます。
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登録OTの読み替えに関するスケジュール
1. 読み替え要件の告知時期:2025年4月
2. 読み替え要件を満たす期限:2027年3月31日
3. 読み替え申請の受付期間(案):2027年4月 ~ 2029年3月
4. 読み替え審査:なし
登録OTの要件について
原則4つの要件を満たし、登録作業療法士になれます。
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生涯教育制度からの移行(2027年4月より施行)
(新)生涯学修制度への移行について
2024年度以前に入会された方は、2027年3月末までは現行の制度で学習を続けていただけます。その後、2027年4月から新制度へ移行します。
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登録作業療法士制度について
登録作業療法士制度説明書<準備中>
登録作業療法士とは
登録作業療法士は次のように定義されます。
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登録作業療法士 定義
一般社団法人日本作業療法士協会登録作業療法士(以下、登録作業療法士)とは、従事する実践領域において頻繁にかかわる疾患や障害のある、またはそれが予測される人々に対し、標準的な作業療法プロセスに従い、独力で作業療法を実践する能力を有する作業療法士を本会が認定した者をいう。
(注釈)
・「標準的作業療法プロセス」とは、自身が従事する実践領域において頻繁にかかわる疾患や障害がある者に、最新の知見に基づいて実践する一連の作業療法の過程である。
・「作業療法を実践する能力」とは、対象者の生活行為のニーズを捉える力、生活行為の向上に向けてセラピーする力、生活行為の達成のために協働する力、成果・結果を吟味し伝える力である。
・そして「作業療法の実践」は、対象者への説明と同意に基づいて行われる生活行為のニーズを捉える評価から、課題の抽出、妥当な目標の設定、妥当なプログラムの作成と安全な実施および記録、さらには結果・成果の吟味と報告・伝達に至る一連の作業療法の過程から成り、現場における基本的な業務管理や他職種・他部署との協働、後輩・学生などへの指導を含む。
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登録作業療法士のレベルとクリニカルラダーについて
登録作業療法士の定義を作業療法士のクリニカルラダーに当てはめると、登録作業療法士は「ラダーレベルⅤ」に相当します。
左の列に示されているのは作業療法の核となる4つの実践能力です。
ラダーレベルⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴは、登録作業療法士のレベルに至る段階付けとなり、水色の部分が前期研修、緑の部分が後期研修に該当します。
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前期研修・後期研修の到達目標
前期研修・後期研修の到達目標はこちら(PDF)
登録作業療法士になるための要件
登録作業療法士を目指すためには、4つの要件(前期研修、後期研修、MTDLP基礎研修、臨床実習指導者講習会)
を満たし、OT協会歴通算5年以上で登録作業療法士になれます。
※MTDLP基礎研修の詳細はこちら、臨床実習指導者講習会の受講については各講習会の案内をご確認ください。
なお、生涯学修制度において登録OTを目指し研修・講習を遂行している者を研修中OTと呼びます。
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前期研修について
前期研修は、講義(eラーニング)、実地経験(職場における実践)、MTDLP基礎研修からなります。
登録作業療法士制度「前期研修」のeラーニング講座について
(1)eラーニング講座の内容
前期研修eラー二ング講座は、1講座30分、計70講座です。基本的な知識を履修していただくために、A~Cの3カテゴリーを設定しました。
A領域は「作業療法士基礎力~臨床実践のための基礎知識~」、B領域は「作業療法分野横断的基礎力~臨床実践のための共通知識~」、C領域は「作業療法分野特異的専門力~臨床実践のための専門知識~」です。
そして、各研修のテーマについては本会会員を対象に実施したアンケート結果を参考にして構成しました。
各領域のテーマはこちらを参照してください。
(2)eラーニング受講の対象
2025年度以降に本会に入会した方は、eラーニング講座の受講は登録作業療法士になるためには必須であり、無料で受講することができます。
また、本会会員ではない作業療法士の方も、有料で受講することが可能です。なお、2024年度以前に本会に入会した会員が、「前期研修」のeラーニング講座の視聴を希望する場合にも対応できるよう調整を進めています。
(3)eラーニング受講の方法
eラーニング講座の配信は、外部業者のシステム(Cloud Campus)を使用して行います。
2025年度以降に本会に入会された方には、入会時にお送りする案内文書に受講に必要な専用IDとパスワードを記載いたします。
(4)eラーニング受講の特徴
いつもどこでも学修ができるように、PCやタブレット、スマートフォンを使用して視聴できるようになります。
また、講師陣はその分野の最先端で活躍している方々を中心に、現在調整中です。
実地経験について
下ページ「実地経験について」で説明します。
後期研修について
講義・演習について(準備中)
実地経験について
下ページ「実地経験について」で説明します。
実地経験について
実地経験説明動画
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実地経験とは何か
現場における作業療法士としての経験そのものを指します。
作業療法士としての自施設内での研修と実践経験、自施設外での研鑽経験から成る5年間の実地経験を通して、上位者の助言、指導、
確認を得つつ標準的な実践能力の修得を目指します。
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実地経験の目的と修得する能力
登録作業療法士制度は、作業療法士の継続的・主体的な学びと実践を重視し、知識、技術、態度(習慣)の修得を支援する制度です。また、段階的な学びを支える体制の構築も重視しています。
具体的には、以下の2点を目的としており、これらの目的を達成するために実地経験が必要だと考えます
1. 研修中の作業療法士(前期研修・後期研修)が各施設や組織内外で、主体的に必要な指導・助言を受けながら研鑽を積み、標準的な実践能力を修得すること。
2. 研修中の作業療法士が所属する施設・組織における学修(指導・助言)体制の導入を促進し、学びの場を整えること。
研修中の作業療法士は実地で上位者の指導や助言を受けながら、標準的な作業療法を独力で実践する力と、それを後輩や学生に指導する力を段階的に修得します。
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実地経験を構成する者とその役割とは
実地経験は、研修中の作業療法士、指導・助言を行う「上位者作業療法士」、修了レベルを確認する「実地経験修了確認者」の3者で構成されます。
上位者作業療法士は、研修中作業療法士の目標設定を支援し、合意のもと助言・支援を行い、能力の修得を促します。
自己チェックリストや目標自己管理シートを活用し、進捗確認や段階的な支援を行います。実地経験修了確認者は、研修中作業療法士とともに、前期研修の修了を確認します。
修了確認は会員歴2年目以降なら随時可能ですが、後期研修の受講は会員歴3年目以降となります。
実地経験修了確認者の要件
実地経験修了確認者になるには要件があります。こちらをご覧ください。
実地経験で使用するツールとは
前期・後期研修の実地経験を段階的に進められるよう、日本作業療法士協会版として3種類のツールを作成しました。
実地経験ツールの使用方針として、③のみ研修中作業療法士全員が共通で使用し、①・②については【日本作業療法士協会版】、【自施設版】の選択制としました。
なお、協会版に該当するツールの有無は、ツールの内容に関わらず、各現場で判断してください。
実地経験の進め方について
実地経験全体の流れからです。研修中作業療法士は5年間の実地経験を通して、主体的に指導・助言・確認を求め、標準的な作業療法実践能力の獲得を目指します。
このために自己チェックリスト・目標自己管理シートを用いて進捗を管理します。上位者作業療法士は必要な指導・助言を行い、段階的・漸減的な支援を行い、
研修中作業療法士が 標準的な作業療法を独力で実践できる能力の修得を促します。実地経験修了確認者は、確認表を用いて前期研修中作業療法士の実地経験到達レベルを確認します。
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前期実地経験において研修中作業療法士と上位者作業療法士、実地経験修了確認者が実施する事項
自施設内での前期実地経験は図の手順で進みます。
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○ 前期実地経験 2年間(ラダーレベル1の実践能力修得)
◇ 目標:指導・助言・確認をのもとで作業療法を実践できるレベル
◇ 進め方
- 1)実地経験に使用するツールの選択
・(A)研修中作業療法士 は、(B)上位者作業療法士 の指導・助言を得て、使用するツール
(日本作業療法士協会版 または 自施設版)を選択します。
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- 2)目標自己管理シートの作成
•(A)研修中作業療法士は、②目標自己管理シート(それに該当するもの)を作成します。
•この時、(B)上位者作業療法士 は、➀実地経験自己チェックリスト を参考に、各々の施設・
組織に適合する目標自己管理シートの作成を支援し、 (A)研修中作業療法士の目標と
具体的行動について確認・合意します。
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- 3)実地経験の遂行中
•(A)研修中作業療法士は、(B)上位者作業療法士などの指導・助言を得て、実地経験を進め、
自分ができるようになった項目とレベルを ➀実地経験自己チェックリスト に記入してゆきます。
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- 4)定期的な振り返り(概ね半年ごと)
•(A)研修中作業療法士は、概ね半年程度の期間ごとに、 ➀実地経験自己チェックリスト と
②目標自己管理シート を用いて、目標達成度を振り返り、次の期の目標と具体的行動を計画します。
•この時、(B)上位者作業療法士 は確認・指導・助言の役割を担っていただきます。
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- 5)実地経験修了確認
前期・実地経験の2年目には(A)研修中作業療法士と(C)実地経験修了確認者 が、
③実地経験修了確認表 を用いて、実地経験修了の相互確認(ラダーレベル1到達)を行います。
自施設外研鑽とは-前期実地経験中の必須回数について-
自施設外研鑽とは日本作業療法士協会の定める規定により、基礎研修ポイント付与に該当すると認められた学会や研修会などでの研鑽経験であります。
5年間の研修中に様々な学会や研修会に参加し、新しい知識・技術の習得に励んで下さい。なお、前期実地経験中の自施設外研鑽経験には必須回数を設けています。
すべての研修中作業療法士は2年間の前期実地経験中に所属する士会の学会や研修会に2回以上参加することが必須です。
自施設内に修了確認者がいない場合には、さらに2回以上の基礎ポイント対象の学会や研修会に参加、合計4回以上の研鑽が必要です。
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前期実地経験の修了時の手続きについて(PDF資料)
実地経験の2年目には、実地経験修了確認者とともに確認表を用いて相互確認を行い、修了の確認後に提出します。
前期研修2年目以降であればいつでも実地経験修了の確認を受けることが可能です。ただし、後期研修は会員歴3年目以降でなければ受講できません。
前期実地経験修了時の手続きは自施設や組織内に実地経験修了確認者がいる場合といない場合で、自施設外研鑽回数と提出方法が異なります。
自施設や組織内に実地経験修了確認者がいる場合は研修中作業療法士が実地経験修了確認表を、LMSに提出してください。
いない場合には4回以上の自施設外研鑽の受講を証明する書類と実地経験自己チェックリストコピーを提出してください。
後期研修の実地経験について
後期研修の実地経験については登録作業療法士の到達目標である「標準的な作業療法プロセスに従い、独力で作業療法を実践し、
後輩や学生を指導できること(ラダーレベル4の実践能力修得)」を目指し、自己チェックリスト・目標自己管理シートを用いて実地経験の進捗を管理します。
なお、証明書類等の提出や申請は不要です。
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登録作業療法士の申請及び更新について
登録作業療法士の申請手続き
登録作業療法士となるための要件である研修と講習を終えた後は、
各会員のポータルサイトなどから届く(予定)の手続き案内にしたがって申請手続きを行ってください。
登録作業療法士の更新手続き
登録OTとなった者は、5年毎に更新する必要があります。
その要件は、5年間に基礎研修ポイントを50ポイント以上取得することです。
※基礎ポイント付与に該当する学会、研修会などの情報は、協会ホームページ(https://www.jaot.or.jp/continuing_education/)
の生涯教育・基礎ポイントについておよびSIG等認定一覧から、研修主催団体が登録されていることを確認してください。
認定作業療法士・専門作業療法士を目指す
研修中OTは、前期研修、後期研修中であっても、認定OTや専門OTを目指して、研修を受講することが可能です。
専門作業療法士を目指す
研修中OTは、OT協会に入会すれば、各専門分野の専門研修を受講することが可能です。
ただし、専門分野ごとに受講条件が異なる場合があるため、協会ホームページ・
専門作業療法士制度(https://www.jaot.or.jp/continuing_education/)を確認してください。
認定作業療法士を目指す
研修中OTは、以下の研修の修了により認定OT取得研修を受講することができます。
(下記の図中の黄色部分を修了すれば、後期研修中に受講が可能です。)
1. 前期研修
1-1)講義(eラーニング)
1-2)前期実地経験修了
2. 後期研修(講義・演習)修了
3. MTDLP基礎研修修了
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研修中作業療法士の実地経験を担当する方へ/実地経験を進めていく方へ
上位者作業療法士・実地経験修了確認者用パンフレット/研修中作業療法士用パンフレット<準備中>
実地経験のマニュアル(前期・後期)<準備中>
実地経験自己チェックリスト1 ダウンロード(Excel)
実地経験自己チェックリスト2 ダウンロード(Excel)
目標自己管理シートダウンロード(Excel)
実地経験修了確認表ダウンロード(PDF)
制度推進について
生涯教育(学修)制度推進担当者の役割(士会)
2027年3月31日まで
現行の現職者共通研修および選択研修を継続して実施していただき、併せて基礎研修の修了を促進していただけますようお願い申し上げます。
なお、代替方法については協会にて準備を進めております(医療福祉eチャンネル:1~8テーマを予定)。
2027年4月1日以降
2024年度までに入会された会員も対象とした「新」現職者共通研修および選択研修の開催をお願い申し上げます。
なお、共通研修の一部には、作業療法士協会が作成するeラーニング教材の導入を予定しております。
これまでの研修会や学会について
士会でこれまで開催してきた実践技術に関する学会や研修会の開催に、引き続きご協力をお願い申し上げます。
これらの学会や研修会については、新制度での新入会者も対象とし、参加を積極的に促していただきますようお願い申し上げます。
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登録作業療法士制度説明資料
制度推進担当者会議での報告資料(PDF)
養成校へのご協力のお願い<準備中>
よくある質問FAQ<準備中>
<準備中>