日本作業療法士協会設立60周年記念式典・祝賀会 開催報告

日本作業療法士協会は設立から60年という大きな節目を迎えました。これを祝い、お世話になってきた皆様への感謝の気持ちを表すべく、9月4日(金)、ホテルニューオータニ(東京都千代田区紀尾井町)にて、設立60周年記念式典および祝賀会が挙行され、関連省庁や関連団体、都道府県作業療法士会、賛助会員等、記念式典に151名、祝賀会に147名、ご出席いただきました。本稿では、記念式典・祝賀会の模様を会員の皆様にご報告いたします。

 

 

第一部 記念式典

第一部である記念式典は「鳳凰の間」にて、14時より開会しました。大庭潤平副会長による開式の辞の後、山本伸一会長からの会長挨拶では「私たちの作業療法は、一人ひとりの臨床の積み重ねによって築かれてきました。そして、現在までの歩みは、私たち作業療法士だけの力で成し得たものではありません。患者様とご家族をはじめ、行政、関係団体等、多くの皆様のお力添えがあってこそ、今日の作業療法があります。これまでいただいた支えとつながりに心から感謝し、その思いを大切にしながら、これからも一人ひとりの暮らしに寄り添う作業療法を積み重ねて参ります。」と、作業療法士を取り巻くあらゆる人々への感謝が述べられました。また、今回の60周年記念事業のテーマである「紡いだ60年、繋がりが形になる未来」について、「この言葉を胸に、日本作業療法士協会は次の10年後、20年後、そして100年に向けて皆さんとともに歩み続けて参ります」と宣言しました。

写真1 記念式典会場の様子と挨拶を述べる山本会長

 

続いて、厚生労働省大臣の上野賢一郎氏(ビデオメッセージ)、こども家庭庁子ども政策担当大臣(当時)の黄川田仁志氏(代読:同庁支援局障害児支援課課長補佐 時末大揮氏)、公益社団法人日本医師会会長の松本吉郎氏(代読:同会常任理事 江澤和彦氏)、一般社団法人全国リハビリテーション学校協会会長の鈴木康裕氏から祝辞を賜りました。

上野氏からは、医療関係職種の持続的な養成体制構築に向けた検討会の立ち上げ、令和8年診療報酬改定、早期リハビリテーション加算の評価および算定要件の見直し、リハビリテーション統括調整室の設置といった最近の動きに触れたうえで、科学的分析を活用したリハビリテーションへの主体的な参加への支援等に取り組むとし、作業療法士にはさらなる研鑽、医療機関や地域のなかで専門性を発揮することへの期待を述べられました。黄川田氏からは、障害のある子どもとその家族が安心して地域生活を送ることができるよう施策の充実への理解と協力を求めつつ、記念式典・祝賀会への感謝を述べられ、本会の発展を祈念していただきました。松本会長からは、特に令和8年熊本地震被災地の支援活動について、本会が一般社団法人日本災害リハビリテーション支援協会(JRAT)の一員として尽力していることに感謝を述べられました。鈴木会長からは、本会とこれまで以上に連携し、次世代を担う作業療法士の育成とわが国のリハビリテーションの発展に力を尽くしていきたいとご挨拶いただきました。

写真2 厚生労働大臣の上野氏からのビデオメッセージ

 

写真3 祝辞を述べる全国リハビリテーション学校協会会長の鈴木氏

 

祝辞・祝電披露に続き、作業療法業務功労者に対する厚生労働大臣表彰式が行われました。34名の受賞者氏名が読み上げられ、厚生労働省医政局局長の佐々木昌弘氏より、受賞者を代表して大嶋孝司氏(京都リハビリテーション病院)へ表彰状が授与されました。大嶋氏による謝辞では「若い作業療法士たちの力と可能性を育てて、協会を中心に信頼される職種として発展していきたい」と述べられ、次世代への期待が語られました。

次に、本会が60年の間にお世話になり、それぞれの功績により本会とわが国の作業療法の発展に大きく貢献された方々へ、山本会長より感謝状の贈呈が行われました。本会の財務・会計業務を指導いただいている辻・本郷税理士法人、専門的な立場で法的判断を指導していただいている山田雅康法律事務所を含む、9名に感謝状が贈呈され、代表として近藤和泉氏(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター)よりお言葉を賜りました。近藤氏は自身が中心的な役割を担った「介護ロボットのニーズ・シーズ連携協調のための協議会」の思い出を振り返り、「作業療法士の皆さんが、生活のなかからいろいろな課題を見つけ出し、それを社会に働きかけ解決していく大きな力をもっていると感じております」と述べられました。そして、40年以上にわたり本会を支援いただいている賛助会員6社と1名に感謝状が贈呈され、代表として株式会社協同医書出版社代表取締役社長の関川宏氏よりご挨拶を賜りました。同社は学術誌『作業療法』をはじめ、多くの作業療法関連書籍を出版していますが、その事業について関川氏は「作業療法士の方々の熱い気持ちに応えて、出版活動を続けてきました」と述べつつ、1970年発行の『作業療法』を披露していただきました。

写真4 賛助会員を代表して挨拶を述べる関川氏(写真中央)

  

谷口敬道副会長の閉式の辞をもって式典は閉会し、記念祝賀会開始まで休憩が挟まれ、和やかな雰囲気のなか、厚生労働大臣表彰受賞者らの記念写真撮影等が行われました。また、会場ロビーや通路に展示されたフォトモザイクアートや本会の歴史とここ10年の歩みをまとめたパネル、都道府県士会長からお寄せいただいた「60周年への想い」と「これからの10年」に向けたメッセージに足を止める出席者も多くみられました。

写真5 協会設立60周年を記念して制作されたモザイクアート。協会にかかわる多くの人の写真が集まり1枚の絵をかたちづくっている

 

写真6 設立50周年以降の10年のあゆみをまとめたパネル

 

  

第二部 記念祝賀会

記念祝賀会は定刻どおり16時から開始されました。オープニングは司会者の案内で、本会の60周年のあゆみをまとめた映像が上映されました。上映終了後、谷川真澄副会長の開会の辞、山本会長からの挨拶が述べられました。続いて、来賓を代表して公益社団法人全日本病院協会会長の神野正博氏、公益社団法人日本リハビリテーション医学会理事長の安保雅博氏、日本リハビリテーション病院・施設協会会長の斉藤正身氏より祝辞を賜り、日本災害リハビリテーション支援協会代表の栗原正紀氏による挨拶と乾杯の発声をもって祝宴が開始されました。

写真7 祝賀会開始前には、名刺交換等あちこちで交流する様子がみられた

 

写真8 WFOT会長のテクラ・ムランボ氏によるビデオメッセージ

 

祝賀会は円卓への着席形式で、各テーブルとも賑やかかつ和やかに食事と語らいを楽しんでいただきました。宴たけなわといったところで、WFOT(世界作業療法士連盟)会長のテクラ・ムランボ氏からいただいたビデオメッセージが上映され、続いて臨席いただいた韓国作業療法士協会会長のリー・ジィウン氏、台湾作業療法士協会会長のチョウ・インジュン氏からもそれぞれお祝いのメッセージを賜りました。テクラ・ムランボ氏からは「この節目は、幾世代にもわたる日本の作業療法士の皆様が、作業療法の発展と人々の生涯にわたる生活の質の向上に尽力してこられた、その献身と努力の賜物です」「教育、研究、専門職の発展、協働、そして権利擁護を通じて、皆様の活動は人々が自分らしく充実した生活を送ることを支える作業療法の価値を社会に示し続けています」とのお言葉をいただきました。

さらに、本会歴代会長の寺山久美子氏(第3代会長)、中村春基氏(第5代会長)、参議院議員の小川克巳氏と次々にマイクリレーで挨拶とお祝いの言葉を述べていただきました。なお、小川氏からは、次のご予定のため、ご退席された衆議院議員の田中昌史氏のメッセージをご紹介いただきました。

最後に山本会長以下、本会役員全員が登壇し、大庭副会長が閉会の辞と出席者への御礼を述べ、盛会のうちに閉会となりました。

写真9 マイクリレーの模様(写真中央:寺山氏)

 

写真10 祝賀会会場の様子。本会役員一同で出席者に御礼を述べる閉会前の一幕

(事務局)