児童福祉領域の作業療法士意見交換会を開催しました
2026年1月25日に「児童福祉領域の作業療法士意見交換会」を開催しました。この意見交換会は、児童福祉領域にかかわる作業療法士が制度や実践に関する最新の動向を共有するとともに、相互の意見交換を通じて現在の課題や今後必要な取り組みを整理することを目的として2017年から継続的に実施しています。今回は、対面・オンラインを併用し開催しました。
こども家庭庁の行政説明と本会の調査報告
冒頭に、こども家庭庁障害児支援課より行政説明として、こども政策全体における障害児支援の位置付けと昨今の制度的動向を解説いただきました。こども家庭庁の設立により、こども政策に専念できる体制が整い、関係機関との連携が進んでいること、特に、障害児支援にかかわる人材育成については、基礎からリーダー、コア層までを対象とした体系的な研修カリキュラムの整備が進められており、令和9年度の報酬改定を見据えた段階的導入が検討されているとの話題提供がありました。研修は、動画教材と対面演習等を組み合わせ、知識・技術のみならず、こどもや家族に寄り添う基本姿勢を重視する内容となる予定とのことでした。
続いて、本会の制度対策部保健福祉課障害児支援班より、2025年12月に実施した「障害児支援における作業療法士の実態調査」の結果報告を行いました(図1・図2)。児童福祉領域に従事する作業療法士が、本人支援や家族支援を含む多様な領域で役割を果たしている一方、学校や地域との連携等、外部機関との協働に課題を感じている状況が共有されました。また、前回の報酬改定により専門性を発揮する機会が増えたとの声がある一方で、書類作成等の業務負担増加に対する懸念も示され、業務効率化の必要性も確認されました。報告を受けてのディスカッションでは、人材育成の方向性や多職種連携における作業療法士の役割について、行政と協会の立場から意見交換が行われました。共通の基盤となる考え方を国が示し、そのうえに各職種の専門性を積み重ねていくこと、また現場の文化を理解しつつ作業療法士の専門性をわかりやすく示す工夫が重要であることなどが共有されました。本調査結果は協会ホームページにも掲載しています(会員向け情報>カテゴリ:保険・障害福祉情報>児童福祉・障害福祉情報)。

図1 作業療法士が発揮できる役割

図2 制度・報酬改定の影響
参加者による意見交換
午後の部では、対面参加者による意見交換を行いました。まず、各現場で感じている困り感や課題について共有し、それぞれの立場から課題解決に向けた工夫や取り組みを紹介。併せて、今後の児童福祉領域において作業療法士がより働きやすく、専門性を発揮しやすい環境を整えていくために、自分たちにできることや、協会として取り組んでほしいことについて話し合いました。制度理解の促進や実践事例の共有、人材育成の継続的な仕組みづくりなど、多様な意見が挙げられました。意見交換のまとめとして、こども家庭庁から参加した鈴木課長補佐から「ぜひ今後、現場からの多様な実践報告を聞けることを楽しみにしている」との期待が寄せられ、参加者にとって明日からの実践に向けた励みとなったようでした。
意見交換会は、児童福祉領域における作業療法士の役割や課題、今後の方向性について理解を深める機会となっています。引き続き、制度動向を踏まえた情報共有と実践の蓄積を通じて、こどもと家族を支える支援の質の向上につながる取り組みを進めていきたいと考えています。

