第四次作業療法5ヵ年戦略(2023-2027)中間見直しの結果について
本会では5年ごとの活動指針と実践計画を、中期計画「作業療法5ヵ年戦略」として策定しています。第四次作業療法5ヵ年戦略の中間年にあたる2025年度、中間見直しを行いました。その結果を本号のトピックスとしてご報告いたします。
2025年度第1回定例理事会(2025年4月19日)にて、中間見直しの方法と手順が示されました。その後、各部署で事業進捗の確認、事業の修正や追加事業が検討され、2025年度第5回定例理事会(2025年12月20日開催)にて全部署の見直し案が報告されました。さらに本案は担当副会長、理事のヒアリング等により精査、取りまとめられ、2025年度第6回定例理事会(2026年2月21日開催)にて上程、承認されました。
中間見直し結果の全体は複雑で多岐にわたりますので、本稿では見直しとなった事業を抜粋し、その事業の見直しとなった経緯・理由、内容を一覧表(p.4~5)に整理して、会員の皆様にお示しします。また、計画を大きく見直す事業については本文でもご紹介します。なお、第四次5ヵ年戦略は本誌第131号(2023年2月15日発行)p.22~35に全文掲載されていますので、そちらをご参照していただき、項目番号や最下位分掌をご確認ください。また、2025年度第6回定例理事会以降、既に進行している事業もあること、第四次作業療法5ヵ年戦略は重点事項に絞り込んだ目標のみで構成されており、ほかの重要事業もあることをご留意ください。
今後、第四次5ヵ年戦略は、2027年度まで進められますが、2028年度以降の事業戦略スキームに関連する検討を2026年度に実施、2027年度に策定する運びとなります。
学術部
1)地域共生社会5ヵ年戦略1-1-1)-6「地域で生活する生活行為に支障のある人々への活動と参加を支援するMTDLPを活用したモデルの提示と取り組み推進」における対応事業「ICFを活用して暮らしに困難を抱える人々への作業療法の実践を可視化し、その支援の効果を提示」で、下記の4項目を前期計画としていましたが、これを新たな後期計画とします。
①7つの疾患別アセスメントセットについて、全国の会員を対象に実態調査を実施
②疾患別アセスメントセットの手引きの臨床利活用を促すため、会員を対象とした事業報告会を開催
③エキスパートパネルに対するデルファイ調査において、腰椎圧迫骨折と間質性肺炎の作業療法アセスメントセットを作成
④疾患別の作業療法の介入手法と共通したアウトカムを検証
2)地域共生社会5ヵ年戦略1-3-2)-3「高齢者の就労継続支援や高年齢労働者の安全と健康に貢献」における対応事業「高齢者の就労継続を可能にする調査と健康増進に繋がる働き方に対して支援モデルの学術的な基盤を検討」について、組織的学術研究における高齢者領域の進捗が遅れているため、2026年度は事業進捗の管理体制を整えて、この領域に着手していきます。
教育部
地域共生社会5ヵ年戦略2-2-1)-2「教育コンソーシアムを活用したモデル事業の実施」について、前期に学校養成施設・都道府県作業療法士会の臨床実習指導者講習会担当者との連携を強化し、教育コンソーシアムのあり方を検討しました。引き続き、後期も事業目的、業務量、費用対効果を考慮しつつ検討を行っていきます。
制度対策部
1)地域共生社会5ヵ年戦略1-1-1)-2「精神障害者の作業(生活行為)の支援として、社会参加に向けた取り組みを推進(引きこもりへの取り組みを含める)」における対応事業「精神障害者の社会参加の支援として、医療から就労支援機関への連携ツールの開発と訪問や外来の取り組みを推進」について、連携ツールの開発・モデル的取り組みの試行を計画していましたが、これを変更し、「診療報酬にて評価されている包括的支援マネジメントへの作業療法士参画を研修等」を推進していきます。
また、地域共生社会5ヵ年戦略1-1-1)-4「司法領域における作業療法実践を拡大(矯正施設・更生保護領域の作業療法)」について、前期から実行する予定だった「矯正施設における作業療法士実践成果の学術的提示に向けた取り組み」に着手できなかったので、後期に推進していきます。
2)地域共生社会5ヵ年戦略1-3-2)-1「企業の従業員のメンタルヘルスへの予防的介入、復職支援など、産業保健における作業療法(士)の役割の明示」における対応事業「産業保健における作業療法士の参画モデル提示と普及」について、メンタルヘルス等産業保健推進委員会からの提案を受け、制度対策部、地域社会振興部等が連携して組織化と必要な事業の検討を後期から開始します。
地域社会振興部
1)地域共生社会5ヵ年戦略1-1-2)では具体的取り組みの1・2・4でそれぞれ事業を見直すこととなりました。大きく見直すのは、1の「医療から介護保険・障害福祉制度・その他地域資源を利用した地域(在宅)移行支援のモデル提示と普及」における事業で、軽度者支援における総合事業へのアクセスや申し送りのあり方等の取り組みや、短期集中型サービス以外の医療から地域(在宅)へのアプローチに関する取り組みを提示するうえで、参画マニュアルの作成・配信を前期に目指していましたが、これを後期に実行するよう目標を変更します。また、4に関して、近年の豪雨や地震や火災複合・重複する災害の発生を鑑みて改正した本会の災害関連の規程等に基づき、地域の実情を踏まえた本会独自の災害支援活動や近隣士会での協力体制整備等の構築に関して、災害対策課を中心として連携強化を図り、活動を具体化していく予定です。
2)組織力強化5ヵ年戦略2-1-1)-1「職能(協会=士会)、学校養成施設、職域が一体となって課題に取り組む体制を構築」の対応事業「求められる地域における即戦力の把握と作業療法士教育モデル・コア・カリキュラムの改正に向けての対応」について、教育部と地域社会振興部で検討を継続し、生涯学修制度との整合性なども考慮しながら、具体的な内容を詰めていく予定です。
国際部
地域共生社会5ヵ年戦略1-1-1)-5「変化・進展する社会に対応し、LGBTQ+、外国人住民、子育て支援をはじめとした暮らしに困難を抱える住民支援を作業療法の観点で検討」については、昨年度、外国人対象者に対する作業療法サービスに関するガイドラインを作成し、公開しました。都道府県作業療法士会との国際事業の連携において、各士会に国際関連担当部門を設置することについては見直しがありました。協会は各士会の裁量に応じて連携する仕組みの提供を行い、協会ホームページの掲示板機能等を活用して、各士会の国際事業担当者との協働を進めていきます。
MTDLP室
地域共生社会5ヵ年戦略1-1-1)-6「地域で生活する生活行為に支障のある人々への活動と参加を支援するMTDLPを活用したモデルの提示と取り組み推進」に対して、MTDLP室は多様な疾患、障害・領域におけるMTDLP活用事例を提案し、会員の実践を推進しています。後期は、活用事例の公開手段、内容についての検討や成果指標、活動指標の設定の見直しを行っていきます。
生活環境支援推進室
生活環境支援推進室は、IT機器レンタル事業や会員のIT支援技術の向上、福祉用具相談支援システムおよび生活行為工夫情報事業について事業実施および内容を見直し、計画的な遂行を図ります。これに加えて、今年度、新規事業として国際福祉機器展(H.C.R)への出展を目指します。
制作広報室
制作広報室は、組織力強化5ヵ年戦略1-4-1)-1「都道府県士会広報部・学校養成校施設委員会との連携」のため、今年度、協会ホームページに掲示板機能を実装しました。後期はこのツールの活用を推進していきます。
また、同じく組織力強化5ヵ年戦略1-4-2)-1「広報媒体の拡充(小・中学生向け含む)」については、昨年度までに小・中学校向けのパンフレットやスライドを制作したので、今後はこれらの発信やブランディングについて、学校養成施設と教育部が連携して検討していきます。
総務部
組織力強化5か年戦略1-2-1)-1「新士会システムの構築と安定的な運用」ついて、昨年度、本会は「協会員=士会員」実現のための新方策を策定しました。この方策における重要な柱である「士会システムの運用」に際して、会員管理システム活用の講習会を開催していく予定です。
表 第四次作業療法5カ年戦略(2023-2027)中間見直し結果(見直しとなった事業を掲載)




